夫婦関係修復事例一覧

依頼者
T太郎さん(32歳)
お相手
妻Aさん(31歳)
子供
1人 3歳
結婚生活
4年目
相談内容
妻との離婚回避
復縁難易度
難易度B
修復期間
2カ月

モラハラを改善して夫婦関係を修復した事例|言葉の暴力を見直し再同居するまで

夫婦の何気ない会話の中で、命令口調になったり、相手を否定するような言葉を使ったりすることがあります。

本人には相手を傷つけるつもりがなくても、言われた側が「何を言っても否定される」「怖くて本音を話せない」と感じていると、少しずつ夫婦の距離が離れてしまうことがあります。

今回ご紹介するのは、結婚後に強い言い方が増え、妻から「もう一緒には暮らせない」「離婚したい」と言われたT太郎さんの事例です。

T太郎さん自身は、当初、自分が妻を傷つけているという自覚がありませんでした。

しかし、これまでの夫婦の会話を振り返り、妻がどのように受け止めていたのかを知ったことで、自分の言葉や態度を見直すようになりました。

その後、妻への接し方を変え、少しずつ会話を取り戻し、再び夫婦として暮らせるようになりました。

妻が家を出た理由は、一度の夫婦喧嘩ではなかった

T太郎さんからご相談をいただいた時点で、奥様はお子さんを連れて実家へ戻っていました。

妻から伝えられたのは、

「もう一緒には暮らせない」

「離婚したい」

という言葉でした。

T太郎さんは、なぜそこまで妻の気持ちが離れてしまったのか分からず、「そんなにひどいことをした覚えがない」と感じていました。

これまでの夫婦関係について詳しく伺うと、離婚を決めるきっかけとなった一度の大きな喧嘩があったわけではありませんでした。

奥様が長い間、負担に感じていたのは、日常の会話の中で繰り返されていた夫の言葉や態度でした。

たとえば、

  • 指摘されることが多い
  • 自分の話を最後まで聞いてもらえない
  • 家事や育児について努力しても認めてもらえない
  • 夫から「自分の方が正しい」と言われているように感じる

といったことが重なっていました。

T太郎さんは、家族のために働き、家庭を支えているという思いがありました。

ところが奥様から見ると、夫婦で話し合うというより、夫の考えに従わなければならないような暮らしになっていたのです。

T太郎さんは、自分の言葉をモラハラだと考えていなかった

ご相談当初、T太郎さんは、

「そんなにひどいことを言った覚えはありません」

と話されていました。

そこで、夫婦の普段の会話について、一つずつ思い出していただきました。

すると、

「だから君は駄目なんだ」

「普通はそうするだろう」

「俺が働いているから生活できている」

など、妻を否定したり、自分の考えを押し付けたりする言葉が繰り返されていたことが分かりました。

T太郎さんにとっては、感情的に怒鳴っているつもりがなくても、妻にとっては毎日のように否定されている状態だったのです。

一つの言葉だけを見ると、それほど大きな問題だと感じないこともあります。

しかし、同じような言葉が繰り返されれば、言われる側は「何を言っても否定される」と感じるようになります。

奥様が「夫に本音を言うのが怖い」と感じるようになった背景にも、こうした日々の積み重ねがありました。

謝罪を繰り返しても、妻から返事はなかった

T太郎さんは、妻に謝りたいという気持ちが強く、何度も謝罪を伝えようとしました。

しかし、奥様は電話に出ず、メッセージにもほとんど反応しませんでした。

「もう一度話をしたい」

「自分が悪かった」

と伝えても、妻の気持ちは動きません。

この状態で謝罪を繰り返しても、妻にとっては再び夫から何かを求められているように感じてしまう可能性があります。

そこで、まず妻を説得することをやめ、自分がこれまで妻にどのような言葉をかけていたのかを振り返っていただきました。

自分では気付かなかった言葉の使い方を見直した

夫婦の会話を振り返る中で、T太郎さん自身にも変化がありました。

それまで、

「妻が言うことを聞いてくれない」

「自分の考えを理解してくれない」

と思っていた場面についても、自分の話し方から見直してみると、妻の話を途中で遮っていたことに気付きました。

さらに、

  • 相手の話を聞く前に自分の意見を言う
  • 正論を伝えて会話を終わらせる
  • 妻の行動を注意することが多い
  • 感謝を言葉にすることが少ない
  • 自分の考えを妻にも同じように求める

といった接し方にも気付いていきました。

「家族だから、このくらい言っても分かってくれる」

という考え方そのものを見直すようになったのです。

義父との話し合いで「妻は怒っているのではなく怖がっている」と知った

その後、直接夫婦で話すことが難しい状態だったため、義父を交えた面談の機会が設けられました。

そこで義父からT太郎さんに伝えられた言葉がありました。

「娘は怒っているのではなく、あなたを怖がっている」

T太郎さんにとって、この言葉は大きな衝撃だったそうです。

自分には妻を従わせるつもりも、怖がらせるつもりもありませんでした。

それでも、妻が実際に「怖い」と感じていたのであれば、自分の意図だけで判断することはできません。

ここで初めて、T太郎さんは「自分はそんなつもりではなかった」ではなく、妻がどう感じていたのかを考えるようになりました。

「変わる」と言うだけではなく、普段の会話を変えた

T太郎さんは、それまでにも妻に謝罪していました。

しかし、言葉で「これから変わる」と伝えるだけでは、妻の不安をなくすことはできませんでした。

そこで、実際の会話の中で接し方を変えていきました。

妻が話している途中で口を挟まず、最後まで聞く。

意見が違っても、すぐに否定しない。

自分の考えを押し付けず、まず妻の気持ちを聞く。

注意や指摘ばかりになっていたところを、感謝を伝えることから変えていく。

感情的になったときには、その場で言い返さず、一度会話を止めて落ち着いてから話す。

こうした小さな変化を積み重ねていきました。

妻の反応が少しずつ変わっていった

奥様は、すぐに「もう一度やり直したい」と言ったわけではありません。

これまで長い間、夫の言葉に傷ついてきたため、最初は距離を置く状態が続きました。

それでも、以前のように否定されたり、強い口調で言われたりすることが少なくなると、少しずつ妻の反応が変わっていきました。

子どものことについて話す機会が増え、夫婦で会話を交わせる時間も少しずつ戻っていきました。

T太郎さんも、妻の言葉にすぐ反論するのではなく、まず話を聞くことを意識するようになりました。

妻からすると、「話をしても否定される」という以前の不安が少しずつ薄れていったのです。

すぐに夫婦関係を戻そうとせず、信頼を積み重ねた

T太郎さんは、妻との会話が戻ってくると、すぐに以前の生活に戻したいという気持ちもありました。

しかし、ここで焦って「もう帰ってきてほしい」「離婚をやめてほしい」と繰り返すのではなく、妻が安心して話せる状態を続けることを意識しました。

妻にとっては、夫が本当に変わったのかを時間をかけて見ていく期間でもありました。

一度謝ったから関係が戻るのではありません。

日常の言葉遣いや相手への接し方が変わり、それが続くことで、少しずつ「以前とは違う」と感じてもらえるようになります。

再び一緒に暮らせるようになった

その後、夫婦で過ごす時間が少しずつ増えていきました。

子どものことを話したり、一緒に食事をしたりする機会も戻りました。

以前なら意見が違ったときに強い言い方になっていたT太郎さんも、妻の話を聞いてから自分の考えを伝えるようになりました。

こうした生活を続ける中で、奥様も夫と話すことへの不安が少しずつ和らいでいきました。

最終的には、別居状態を終えて再び一緒に暮らすことになり、現在は夫婦として生活を続けています。

この事例から考えたい「言葉の暴力」の問題

この事例では、夫が妻を傷つけようとしていたわけではありませんでした。

T太郎さん自身は、家族のために言っているつもりでした。

しかし、夫の意図と妻が受け止めた言葉は同じではありませんでした。

「だから君は駄目なんだ」

「普通はそうするだろう」

「俺が働いているから生活できている」

こうした言葉を繰り返し受けていれば、妻が自分を否定されているように感じることもあります。

特に夫婦の場合、毎日の生活の中で繰り返される言葉だからこそ、少しずつ相手の気持ちを遠ざけてしまうことがあります。

「暴力を振るっていないから問題はない」

「怒鳴っているわけではない」

「そんなつもりで言ったわけではない」

と考えている場合でも、相手がどのように受け止めているのかを考えてみることで、これまで気付かなかった夫婦間の問題が見えてくることがあります。

謝罪だけで妻の気持ちを変えようとしなかったことが、関係の変化につながった

T太郎さんの場合、最初は妻に謝れば分かってもらえると思っていました。

しかし、妻が求めていたのは謝罪の言葉だけではありませんでした。

「これからも同じことを言われるのではないか」という不安がなくなり、安心して話せる相手だと感じられることが必要だったのです。

T太郎さんは、妻を説得することよりも、自分の言葉や態度を見直すことを優先しました。

その変化が少しずつ妻に伝わり、会話が戻り、夫婦で過ごす時間が増えていきました。

この事例は、本人にモラハラの自覚がなかった場合でも、相手の受け止め方を知ることで、自分の接し方を見直すきっかけを持てることを示しています。