離婚を切り出した夫が撤回した理由とは?別居から夫婦関係が戻るまでの事例
夫から突然、
「少し距離を置きたい」
「離婚を考えている」
と言われると、妻は「一時的に怒っているだけではないか」と考えてしまうことがあります。
今回ご紹介するT子さんも、最初はご主人が実家へ戻ったことを「しばらくすれば家に戻ってくる」と考えていました。
しかし、ご主人が考えていたのは単なる一時的な別居ではありませんでした。
弁護士への相談や離婚調停まで考えており、T子さんに対して「結婚したことを後悔している」と伝えるほど、夫婦関係に疲れていたのです。
そこからT子さんは、自分の気持ちを分かってもらおうとする接し方を変えていきました。
すぐに夫の気持ちが戻ったわけではありません。
それでも、別居中の夫との関わり方や自分の生活を見直し、少しずつ夫婦で話せる時間を取り戻していきました。
最終的に、ご主人は離婚の考えを撤回し、二人は再び一緒に暮らすようになりました。
ここでは、離婚を切り出したご主人の気持ちがどのように変化していったのかを、T子さんの実際の相談事例としてご紹介します。
目次 表示
- ご主人が離婚を考えるようになるまで
- ご主人が「一緒にいると苦しい」と感じるようになった出来事
- 「一か月くらいで戻ってくる」と考えていた妻
- 離婚を切り出した夫に妻が何度も理由を尋ねてしまった
- 義母から言われた言葉がT子さんの考えを変えた
- ご主人を戻そうとすることより、夫が感じていたことを考えるようになった
- ご主人から「離婚しか考えられない」と言われた
- T子さんは「半年だけ時間をください」と伝えた
- T子さんが生活そのものを変えていった
- 少しずつ、ご主人との会話が戻ってきた
- 「離婚しか考えられない」から「もう少し一緒に考えてみよう」へ
- ご主人が離婚を撤回し、二人は再び暮らし始めた
- 離婚を切り出した夫の気持ちが変わるまでにあったこと
- 「離婚と言った方が負け」ということではありません
- この事例でご主人の心理が変化した経過
- 離婚を切り出された夫婦のご相談について
- 夫婦の別居や関係修復について相談できます
- よくあるご質問
ご主人が離婚を考えるようになるまで
T子さんは、結婚を機に転職しました。
仕事が忙しく、朝早く家を出て、帰宅は夜遅くなる日が続いていました。
夫婦で食事をする機会も減り、夕食を作れない日も珍しくありませんでした。
当時のT子さんは、
「仕事が落ち着けば、以前の生活に戻れる」
と考えていました。
ところが、忙しい生活は一年近く続きました。
仕事を優先するうちに、ご主人と話す時間も少なくなっていきます。
その後、義母から「家庭を優先した方がいいのではないか」と言われたことをきっかけに、T子さんは仕事を退職しました。
専業主婦として家庭で過ごすようになったものの、数か月後には資格取得のため職業訓練校へ通い始めます。
仕事を辞めたからといって、夫婦でゆっくり過ごせる生活になったわけではありませんでした。
再び生活リズムが不規則になり、ご主人との時間は思うように増えませんでした。
家事についてご主人から注意されることもありました。
T子さんは、その言葉を落ち着いて受け止める余裕がなく、言い返してしまうこともありました。
家の中でも二人の会話は減っていきます。
同じ家で生活しているのに、何を話せばいいのか分からない。
そんな状態になっていました。
ご主人が「一緒にいると苦しい」と感じるようになった出来事
ある連休、T子さんはご主人を外出に誘いました。
しかし、ご主人から断られます。
そのことへの不満から、T子さんはご主人を強い口調で責めてしまいました。
その後、ご主人から、
「言葉がきつい」
「一緒にいると苦しい」
と言われるようになります。
数日後、ご主人からメールが届きました。
そこには、
「少し距離を置きたい」
と書かれていました。
ご主人は実家から通勤する生活を始めることになります。
T子さんは、この時点ではまだ、ご主人が夫婦関係そのものを終わらせようとしているとは考えていませんでした。
「一か月くらいで戻ってくる」と考えていた妻
ご主人が実家へ戻った後も、T子さんは、
「一か月くらい様子を見れば家に戻ってくるだろう」
と考えていました。
別居を一時的なものだと思っていたのです。
ところが、しばらくしてご主人から届いた連絡は、予想とはまったく違っていました。
ご主人から、
・一人暮らしを始める予定であること
・弁護士へ相談していること
・離婚調停を考えていること
・これまでの信頼関係を元に戻すことは難しいと考えていること
を伝えられました。
そこで初めて、T子さんはご主人が本気で離婚を考えていたことを知ります。
それまで「少し距離を置いているだけ」と考えていたT子さんにとって、離婚という話は大きな衝撃でした。
離婚を切り出した夫に妻が何度も理由を尋ねてしまった
突然、夫から離婚を考えていると伝えられたことで、T子さんは不安になりました。
「女性がいるのではないか」
という疑いも持つようになりました。
そこで、電話やメールで何度もご主人に理由を尋ねました。
「どうして帰ってこないの?」
「何が原因なの?」
「離婚するつもりなの?」
と、ご主人の気持ちを確かめようとしたのです。
T子さんとしては、夫婦関係をどうにかしたいという思いからの行動でした。
しかし、ご主人にとっては、自分の気持ちを問い詰められているように感じられました。
連絡を重ねるほど、ご主人はさらに口を閉ざしていきます。
その後、義父母を交えた話し合いも行われました。
しかし、夫婦の言い争いは激しくなりました。
この時期は、二人の気持ちが最も離れていた時期だったといえます。
義母から言われた言葉がT子さんの考えを変えた
義父母を交えた話し合いの中で、義母からT子さんに対して、
「あなたは相手の話を最後まで聞いていない」
「自分の考えだけを押し通してしまう」
と指摘されました。
T子さんにとっては、厳しい言葉でした。
自分も仕事や資格取得、家事などを頑張ってきたという思いがあったからです。
そのため、最初は納得できない気持ちもありました。
しかし、時間を置いて考えるうちに、ご主人とのこれまでの会話を思い出すようになりました。
ご主人が何か話そうとしたとき、自分の事情を先に説明していなかったか。
注意されたとき、最後まで話を聞かずに言い返していなかったか。
自分の不安を優先して、ご主人の気持ちを聞く余裕を失っていなかったか。
そう考えるようになったことが、T子さんの接し方を変えていきます。
ご主人を戻そうとすることより、夫が感じていたことを考えるようになった
相談を始めた当初、T子さんが一番考えていたのは、
「どうすれば夫が帰ってきてくれるのか」
ということでした。
しかし、そこだけを考えていると、ご主人に何度も連絡してしまいます。
「帰ってきてほしい」
「離婚したくない」
という自分の気持ちを伝えることが中心になってしまうからです。
そこでT子さんは、ご主人を説得することをいったん止めました。
連絡の回数を減らす。
返事を急かさない。
女性の存在を疑うような言葉を使わない。
感情的になったときにすぐ電話をしない。
ご主人が話している途中で反論しない。
そして、自分には悪気がなかったとしても、ご主人がどう感じていたのかを考えるようにしました。
「私はそんなつもりではなかった」
ではなく、
「夫にはどう見えていたのだろう」
と考えるようになったのです。
ご主人から「離婚しか考えられない」と言われた
別居から一か月ほど経った頃、ご主人と会う機会がありました。
T子さんは、少しでも夫婦関係を戻せるのではないかと期待していました。
しかし、ご主人から返ってきた言葉は、
「離婚しか考えられない」
というものでした。
その後、義父母を交えた話し合いでも、
「結婚したことを後悔している」
「謝られても気持ちは戻らない」
と言われました。
T子さんにとって、とてもつらい言葉でした。
それでも、この時点でご主人の気持ちを変えようとして言い返すことはしませんでした。
以前なら、
「私だって頑張ってきた」
「そんな言い方はひどい」
と反論していたかもしれません。
しかし、ご主人がそこまで思うようになった経緯を考え、自分の気持ちを押しつけることを控えました。
T子さんは「半年だけ時間をください」と伝えた
T子さんは、ご主人にすぐ夫婦関係を戻すよう求めるのではなく、
「半年だけ時間をください」
とお願いしました。
ご主人も、すぐに離婚の結論を出すのではなく、その期間は様子を見ることを受け入れました。
この半年間は、T子さんにとって、ご主人の気持ちを取り戻すためだけの時間ではありませんでした。
これまでの夫婦生活を振り返り、自分自身の生活や人との接し方を見直す時間になりました。
T子さんが生活そのものを変えていった
T子さんは、ご主人に「変わった」と思ってもらうために言葉を重ねたわけではありません。
普段の生活から見直していきました。
料理を覚える。
家庭での生活を整える。
自分の予定だけを優先しない。
パート勤務を始めた後も、仕事と家庭のバランスを考える。
ご主人への連絡は必要な内容にとどめる。
返事が来なくても、すぐに催促しない。
会うことができたときには、自分の話をするよりも、ご主人の話を聞く。
こうしたことを一つずつ続けました。
ご主人から、すぐに優しい言葉が返ってきたわけではありません。
距離が縮まったと感じた後に、また冷たい態度を取られることもありました。
それでも、以前のように感情的になって責めることはしなくなりました。
少しずつ、ご主人との会話が戻ってきた
しばらくすると、ご主人と会う機会が少しずつ増えていきました。
最初の頃は、会えば離婚の話になっていました。
しかし、T子さんが自分の考えを一方的に伝えるのではなく、ご主人の話を聞くようになると、会話の雰囲気が変わっていきます。
仕事の話。
日々の出来事。
以前一緒に暮らしていたときの話。
夫婦にとって当たり前だった会話が、少しずつ戻ってきました。
ご主人の表情も、以前ほど険しくなくなっていきました。
T子さんも、
「夫がいつ帰ってくるのか」
だけを考えるのではなく、
「夫は何を苦しいと感じていたのか」
を考えながら、ご主人と話すようになっていました。
「離婚しか考えられない」から「もう少し一緒に考えてみよう」へ
何度か会う機会を重ねた頃、ご主人から、
「もう少し一緒に考えてみよう」
という言葉が出るようになりました。
別居当初には「離婚しか考えられない」と話していたご主人の言葉が変わったのです。
T子さんは、この言葉を聞いても、すぐに「もう大丈夫」と考えることはしませんでした。
ご主人の気持ちが再び変わる可能性も考え、これまでと同じように穏やかに接することを続けました。
それから、週末を一緒に過ごす時間が増えていきます。
離婚について話し合う時間よりも、夫婦として普通に過ごす時間が増えていきました。
ご主人が離婚を撤回し、二人は再び暮らし始めた
その後、ご主人は離婚の考えを撤回しました。
別居を解消し、T子さんと再び一緒に暮らすことを決めたのです。
二人は再同居を始めました。
T子さんにとっては、夫が帰ってきたことだけが変化だったわけではありません。
以前は、
「自分はこれだけ頑張っている」
という気持ちから、ご主人の言葉に反応してしまうことがありました。
しかし、夫婦関係が悪化した後は、
「夫はどう感じているのだろう」
と考えてから話すようになりました。
ご主人の気持ちを聞くこと。
すぐに反論しないこと。
自分の不安だけで相手を問い詰めないこと。
そうした接し方が、二人の関係を少しずつ変えていきました。
離婚を切り出した夫の気持ちが変わるまでにあったこと
この事例では、ご主人がある日突然、
「やっぱり離婚はやめる」
と考えたわけではありません。
離婚を考えるまでには、夫婦の生活の中でいくつもの出来事が重なっていました。
仕事や資格取得によって夫婦で過ごす時間が減ったこと。
家事についての言い争いが増えたこと。
会話が少なくなったこと。
妻に話を聞いてもらえないと感じるようになったこと。
強い口調で責められることに疲れてしまったこと。
その結果として、ご主人は別居を選び、弁護士への相談や離婚調停まで考えるようになりました。
別居後も、T子さんが不安から何度も連絡したことで、さらに距離が広がった時期があります。
そこからT子さんが、ご主人を説得することよりも、ご主人がそれまで何を感じていたのかを考えるようになりました。
そして、実際の生活や会話の仕方を変えていきました。
その変化を、ご主人が少しずつ感じるようになったことで、二人で過ごす時間が戻っていきました。
「離婚と言った方が負け」ということではありません
夫から離婚を切り出されたとき、
「離婚を言い出した方が後で後悔する」
「離婚と言った方が負け」
と考えたくなることがあります。
しかし、離婚を切り出したことだけで、その後の気持ちを判断することはできません。
ご主人が本気で離婚を考えている場合もあります。
一方で、夫婦生活の中で積み重なった不満や疲れから、一度は離婚を決意したものの、その後の関わり方によって気持ちが変化する場合もあります。
T子さんのケースでは、まさに後者でした。
ご主人が離婚を考えた背景には、夫婦の生活の中で感じていた疲れがありました。
そのため、「離婚したくない」と伝え続けることだけでは、ご主人の気持ちは変わりませんでした。
ご主人が何に傷ついていたのかを知り、T子さん自身の接し方や生活が変わったことで、夫婦の会話が戻っていったのです。
この事例でご主人の心理が変化した経過
T子さんのケースを時系列で見ると、ご主人の気持ちは次のように変化しています。
夫婦で暮らしていた時期
仕事や資格取得によって夫婦の時間が減り、会話も少なくなる。
夫婦間の言い争いが増えた時期
ご主人が「一緒にいると苦しい」と感じるようになる。
別居
ご主人が実家から通勤する生活を始める。
離婚を考えていることが判明
弁護士への相談や離婚調停を考えていることをT子さんが知る。
夫婦関係が最も悪化した時期
「離婚しか考えられない」「結婚したことを後悔している」と言われる。
T子さんの接し方が変わる
説得や問い詰めを控え、ご主人の話を聞くようになる。
生活を見直す
仕事と家庭のバランスを考え、感情的に責めることをやめる。
夫婦で過ごす時間が戻る
離婚の話だけではなく、日常の会話が増える。
ご主人の言葉が変わる
「もう少し一緒に考えてみよう」と話すようになる。
離婚を撤回して再同居
ご主人が離婚の考えを撤回し、二人は再び一緒に暮らす。
離婚を切り出した夫の気持ちが変化するときには、言葉だけで説得するのではなく、夫婦の間にあった問題や、それまでの接し方が変わっていくことがあります。
T子さんの事例は、離婚を求めて別居したご主人との関係が、その後の接し方や生活の変化によって少しずつ動いていった一例です。
離婚を切り出された夫婦のご相談について
夫から離婚を切り出され、すでに別居している場合でも、夫婦によって状況は異なります。
離婚を考えるようになった理由。
別居に至った経緯。
別居後の連絡状況。
夫が現在どのような態度を取っているのか。
これまで夫婦の間でどのような会話があったのか。
こうした事情によって、その後の関わり方も変わります。
T子さんのように、自分では気付かなかった夫婦間のすれ違いが、別居後になって初めて見えてくることもあります。
離婚を切り出された後の夫婦関係について、復縁専科では心理カウンセラーがご相談をお聞きしています。
夫婦の別居や関係修復について相談できます
よくあるご質問

- 仕事が忙しくて夫婦の時間が減ったことが原因で、別居になることはありますか?
- あります。
仕事が忙しいこと自体が問題なのではなく、夫婦の会話や一緒に過ごす時間が長期間減ったことで、相手が「自分は後回しにされている」と感じてしまう場合があります。
T子さんのケースでも、仕事、資格取得、家事、夫婦の会話などが重なり、二人で過ごす時間が少なくなっていました。
- 別居した夫から離婚を求められた場合、すぐに説得した方がいいですか?
- T子さんのケースでは、説得を続けるのではなく、ご主人が距離を置きたいと感じていたことを受け止めるところから始めました。
離婚の結論だけを急いで話し合うと、相手がさらに話し合いを避けることもあります。
夫婦それぞれの状況によって対応は異なるため、別居に至った経緯を含めて考えることが必要になります。
- 「結婚したことを後悔している」と言われても関係を戻せることはありますか?
- T子さんは実際にご主人からその言葉を言われています。
その後、ご主人との接し方や生活を見直し、少しずつ会話を取り戻していきました。
ただし、同じ言葉を言われた場合でも、夫婦によって背景は異なります。
言葉だけで判断せず、なぜそこまでの気持ちになったのかを考えることが、このケースでは大きな意味を持ちました。
- 別居した夫が実家から通勤している場合、戻ってくる可能性はありますか?
- 実家から通勤しているという事実だけで、その後のことを判断することはできません。
T子さんの場合も、当初は「一か月ほどで戻ってくる」と考えていましたが、ご主人は離婚について弁護士へ相談していました。
別居中の生活だけを見るのではなく、夫婦が別居することになった経緯や、その後の連絡、会ったときの反応などを含めて考えることが必要です。
