離婚問題の相談で事前に知っておきたい11のポイント【後悔しないために】

離婚したいと思っていても、実際に離婚問題をスムーズに解決できない場合がほとんどです。離婚後に養育費の不払いなど、思いがけないトラブルが起きないよう、事前に対策しておく必要があります。権利関係の複雑な手続きを済ませたり、お金の不安を解消したりするのは簡単ではありません。

 

そこで今回は、離婚する前に知っておきたい11のポイントを解説します。離婚に必要な労力を知る手がかりにしてください。

離婚問題で懸案になるポイント

悩んだら

「夫婦としてはやっていけない」からといって、すぐに離婚届を出す必要はありません。離婚問題は、離婚前より離婚後に思わぬカタチで発生する可能性があるからです。ここでは、弁護士に相談するなどして離婚前に解決済み、あるいは対策済みにしておきたい11のポイントを解説します。

11のポイントは次のとおりです。

● 慰謝料
● 財産分与
● 住宅ローン
● 年金
● 婚姻費用
● 健康保険と医療保険
● 親権
● 子どもの養育費
● 子どもの面会交流権
● 子どもの氏(名字)
● 戸籍

 

ではそれぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。

金銭問題

離婚問題は、お金にまつわる問題が大きなウエイトを占めます。ここでは慰謝料や財産分与などの知識を簡単に紹介しますので、お金の問題を解決するためにどの程度の労力が必要なのかを知る目安にしてください。

 

慰謝料

慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償的な意味合いをもつお金です。そのため、離婚時に必ず支払われるお金ではありません。よく見られる「性格の不一致」という離婚理由の場合には「どちらが悪い」ワケでもないために慰謝料の請求は不可能です。

離婚の原因を作ったのが自分である場合には、慰謝料を支払うのは自分だということを覚えておきましょう。

離婚の慰謝料とは、次のような場合に請求できます。

● 次のような離婚の原因・理由から生まれた精神的苦痛
○ 不貞行為(浮気、不倫)
○ 暴力(DV)
○ 悪意の遺棄
○ 性交渉の拒否
● 離婚から生じる精神的苦痛(配偶者の地位を失うなど)

個人の力で実際に離婚慰謝料を請求する事情を、立証・主張するのはなかなか困難です。裁判所にうまく理解してもらうために、弁護士に相談することも検討されてください。

 

財産分与

離婚を急ぐ必要がない理由のひとつは、夫婦の財産について事前にキチンと取り決めを交わす必要があるからです。財産分与についてハッキリさせないと、自分のモノになるはずの財産をもらいそびれるかもしれません。まずは財産分与の対象になる財産を、ひとつひとつ挙げてみましょう。

財産分与の対象になるのは共有財産です。婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた財産であれば、どちらかの名義であっても共有財産と判断されます。共有財産の例は、次のとおりです。

● 不動産
● 家具や家財
● 預貯金
● 車
● 有価証券
● 保険解約返戻金
● 退職金

なお独身時代に貯めた預貯金は、財産分与の対象外です。婚姻期間中に発生した相続による財産も、夫婦の協力とは無関係なため財産分与の対象外となります。

 

住宅ローン

マイホームは、誰もが失いたくない価値の大きな財産です。しかし住宅ローン残高が残っている場合は、返済の負担が長引くため慎重に取り決めをしましょう。

まずはマイホームの権利関係を調査します。不動産の名義や住宅ローンの契約内容について、最新の情報を把握してください。

土地・建物の名義は、法務局に行き不動産の登記簿謄本を取り寄せれば確認できます。登記簿謄本があれば、どのような抵当権が設定されているのかもチェック可能です。不動産業者に査定を依頼して、およその不動産価格も調べておきましょう。

住宅ローンの契約書類一式を見て、自分が主債務者なのか、連帯保証人あるいは連帯債務者なのか、それとも保証協会などを利用しており返済負担なしなのか、確認するようにしてください。住宅ローンの正確な残高を「償還表」などで把握することも大切です。不動産価格が住宅ローン残高を上回る場合は、売却処分して利益を分け合うのが1番妥当な方法です。

 

不動産を売却しない場合には、次のような難しい問題に直面します。

● 住宅ローンの返済をどちらが負担するのか
● 名義をどちらのものにするか
● 家をもらわない配偶者への財産分与をどうするのか
● 保証人の問題

 

 

一方だけがマイホームに住み続ける場合には、注意したいのはもう一方の権利関係です。連帯保証人や連帯債務者としてローンの負担をしている場合には、たとえ夫婦間で片方が住宅ローンを支払うと合意していても、金融機関への責任はそのまま双方ともに残るために注意してください。

 

 

年金

熟年離婚を考えている方は、年金分割制度について把握しておくようにしましょう。年金分割制度は、配偶者の年金保険料の納付実績の一部を、もう一方の配偶者が受け取れる制度です。しかしすべての人が利用できる制度ではありません。

年金分割制度を利用できるのは、相手方が自分より厚生年金・共済年金の納付実績が多い場合のみだからです。国民年金は分割されないため、自営業者や農業従事者などは制度自体を利用できません。いい方を変えれば、自分のほうが厚生年金・共済年金の納付実績が多ければ、年金分割を請求される立場になるのです。

 

婚姻費用

離婚問題の解決を目指して、話し合いや裁判所で手続きを進めている間も法律上は夫婦です。たとえ別居していても、生活費を助け合う義務があることを知っておきましょう。夫婦が婚姻関係にあれば分担すべき家族の生活費のことを、婚姻費用といいます。

婚姻費用と似た費用として養育費があげられますが、これは離婚後に両親が分担する子どもの監護や教育に必要な費用を指します。養育費は離婚後に子どもを養育する親が、もう一方の親から受け取る費用のことです。養育費は離婚後の子どもの生活費のことで、婚姻費用のように親の生活費は含まれていません。

別居中や同居中にかかわらず、生活費の支払いが途絶えてしまった場合は、原則として婚姻費用の分担を請求することも可能です。夫婦間での協議が不調に終われば、裁判所に調停を申し立てます。調停を利用しても決着がつかないときは、家庭裁判所の裁判官が審判で金額を決定する流れです。

 

健康保険と医療保険

日本では「国民皆保険制度」のもと、「健康保険」あるいは「国民健康保険」いずれかの医療保険に加入する必要があります。主婦であれば、婚姻期間中は夫の扶養家族として健康保険に加入、あるいは夫を世帯主とする国民健康保険に加入している場合が多いはずです。離婚すると、夫の医療保険から脱退することになります。これは保険資格を喪失するためです。

 

健康保険とは主に会社勤務の人が加入する保険のことで、国民健康保険とは主に自営業や農業従事者、あるいは無職の方が加入する保険を指します。

 

離婚後すぐに就職する場合は、新しい勤務先で健康保険加入の手続きしてもらえるので簡単です。しかし離婚後すぐに就職しない場合は、自分で国民健康保険への加入手続きを進めます。

 

夫の健康保険に扶養家族として加入していた場合は、夫を通じて夫の勤務先から「資格喪失証明書」を取得してください。市町村役場でこの資格喪失証明書を見せて、自身が世帯主とする国民健康保険加入手続きをします。

 

夫の国民健康保険に加入していた場合は、離婚後に住所地が変わらなければ世帯主の変更を届出するだけです。住所地が変更になる場合は、まず市区町村役場で住民票の転出・転入手続きをします。転出日をもって当該市区町村の国民健康保険を喪失するため、新しい住所地で国民健康保険への加入手続きを速やかに進めるようにしましょう。

 

養育問題

どちらが子どもを引き取って育てるのかも大きな問題ですですね。親権や養育費、子どもへの面会交流権についてもよく話し合いましょう。

 

親権

親権とは子どもの利益のために行使されるものです。子どもの監護・教育のほか、財産を管理する権限・義務といわれています。

 

離婚の際に未成年の子どもがいる場合には、親権者の決定を先送りにして離婚はできません。親権者を離婚届に記載する必要があり、親権者の欄が空欄のままでは役所で受付けてもらえないからです。

 

親権者になりたい場合は夫婦で協議を重ねることになりますが、決まらない場合は調停・審判・訴訟という流れになります。夫婦の間で話し合いに決着がつかない場合には、最終的に裁判所が決めてしまうのです。子どもの年齢が15歳以上であれば、裁判所が子ども本人の考えや意思を聞きますので、子ども自身の気持ちが尊重されるといえるでしょう。

 

子どもの養育費

養育費とは子どもを引き取って育てることになった親が、もう一方の親に請求できる子どもの生活費です。離婚して「生活が苦しいから、余裕のあるときに支払う」という性質のものではありません。自分の生活レベルを落としてでも、子どものために当然支払うべき費用となります。

 

養育費について取り決めせずに急いで離婚した場合でも、養育費の支払いを請求できることを知っておきましょう。

 

子どもの面会交流権

面会交流権とは、離婚後に子どもと離れて暮らすことになった親が子どもと定期的に交流する権利です。離婚する際は、親権者を必ずとり決める一方で、面会交流権については取り決める必要がありません。しかし離婚後に話し合う機会を持てない可能性もあるため、事前に面会交流について話し合っておきましょう。

 

その他

ここでは離婚後の氏と戸籍をどうするのか、知識を深めましょう。

子どもの氏(名字)

両親が離婚したからといって、子どもの氏(以下、名字)は自動的に変わるワケではありません。例えば離婚後に親権者になった母親が旧姓に戻った場合は、一緒に暮らす母親と子どもの名字が異なることになります。

 

そこで「婚氏続称(こんしぞくしょうとどけ)」という届出をすれば、母親の名字を結婚中の名字のままにできますが、戸籍上は別の氏(名字)という扱いです。

 

戸籍

離婚したから自動的に、子どもが親権者になった親の戸籍に移動することはありません。離婚後に子どもと親の名字が異なる場合には、その親の戸籍に子どもは入れないことを知っておきましょう。

 

離婚後に旧姓に戻った親権者が子どもを自分の戸籍に入れたい場合には、子どもの名字の変更を家庭裁判所に申し立てして、許可を得てから入籍手続きが必要です。

 

 

知っておきたい離婚の種類

離婚する前に

ここでは、離婚には以下の3つの種類があることを紹介します。

● 協議離婚
● 離婚調停
● 離婚訴訟

 

協議離婚

夫婦の話し合いで解決するのが協議離婚です。お互いに離婚することに合意すれば、市区町村役場に離婚届を提出するだけで手続きは完了します。財産分与や養育費などの取り決めは、口約束だけでなく公正証書に残す方法もあるので参考にしてみてください。

 

離婚調停

相手が話し合いに応じないなど、協議が進まない場合もあるでしょう。そこで家庭裁判所に調停を申し立て、第三者である調停委員にそれぞれのいい分を聞いてもらい、裁判を経ずに折り合う道を探るのが離婚調停です。

調停が成立すると、不服を申し立てて調停の内容をくつがえすことはできないので注意が必要です。離婚調停が不調に終わった場合は、訴訟へとエスカレートします。

 

離婚訴訟

離婚調停の手続きを踏んでも解決できない場合は、家庭裁判所に訴訟を提起します。この場合、原告が離婚原因を裁判で示すことが必要です。裁判上の和解、もしくは判決を受けて離婚が成立します。

 

離婚訴訟では、財産分与や子どもの養育費なども離婚と合わせて請求・解決を申し立てることが可能です。

離婚問題は行政書士と弁護士のどちらに相談すべき?

離婚と法律

離婚問題の解決には、複雑な手続きを進めるためにエネルギーを消耗します。そこで弁護士や行政書士に依頼を検討している方もいることでしょう。交渉が伴うことが多いため、基本的には弁護士に相談することになります。

 

ここでは弁護士や行政書士の業務範囲・対応範囲をみていきましょう。

 

弁護士の業務

弁護士は書類・訴状作成、代理・交渉やそれらの業務に伴う相談まで、離婚問題に関するすべての業務に対応できます。

 

話し合いで解決できる場合は、弁護士に依頼する必要はないかもしれません。しかし、相手方と顔を合わせたくない場合や離婚訴訟に発展した場合は、弁護士に代理・交渉を依頼することになります。

 

行政書士の業務範囲

行政書士は、書類作成の専門家です。話し合いで離婚問題を解決する際に、離婚協議書や離婚に伴う公正証書の作成を依頼するなら行政書士にも依頼できます。

 

ただし行政書士は、離婚の相手方と交渉することは業務の範囲を越えるために対応できません。

離婚を意識し始めたばかりなら共通の知人や親族に相談する

親族に相談

離婚を回避するには、義父母など相手の親族へ相談すると解決へのきっかけとなるケースも少なくありません。

 

しかし義父母と折り合いが良い悪いにかかわらず、相手の親族へ予告なしに突然に電話をかけたり訪問したりするのは控えてください。自分のタイミングで行動するよりも、まず相談したい相手に直接メールやLINEで「お義母様に相談したいことがあります。お返事ください。」などと予告してから相談されるようにしてください。

結婚生活の悩みや不満を聞いてほしいなら夫婦カウンセラーに相談

夫婦カウンセラーに相談

夫婦関係を破綻させたくない…何とか感情的なもつれを修復する方法がないものかとお悩みではないでしょうか?離婚問題の解決に向けて、夫婦カウンセラーへの相談をおすすめするのは次のようなケースです。

 

 

夫婦カウンセラーに相談する場合に整理しておくことがわかります。

関連記事:結婚生活の悩みや不満を聞いてほしいなら夫婦カウンセラーに相談

 

 

● 夫婦の心に温度差があり、スレ違いが生じている
● 性格の不一致について悩んでいる
● 浮気・不倫を繰り返さないためにも原因を知りたい
● 夫婦喧嘩がエスカレートし、無視し合っている
● モラハラが原因で不仲になり、離婚話が出ている

 

夫婦カウンセラーに相談するメリットとは「双方の結婚観」「夫婦喧嘩の謝り方」「心理や対人形勢の分析」などの知識を得られる点です。このような知識をもとに、夫婦カウンセラーから適切なアドバイスを受ければ、夫婦関係の問題点や解決方法を理解しやすくなります。

 

 

別居中のために顔を合わせたり、電話で冷静に話したりすることが難しい場合もあるでしょう。まずはLINEやメールのやり取りを通じて、2人で話し合える状態まで夫婦関係を回復させることが大切です。そのためにも、相手の気持ちを具体的に提示してくれる夫婦カウンセラーへの相談が望ましいと言えます。

 

当方では初回のご相談を無料で承っておりますので、心理分析を受けて夫婦関係修復のために取り組みたい方はご相談ください。

 

数回のカウンセリングを通じて誠意の表現方法を学ぶことで、相手の「別れたい」という心理に変化を起こし、対話を重ねて良い方向へと徐々に変えていきましょう。

相手に突然離婚を切り出されたら

離婚を切り出されたら

相手に突然離婚を切り出されたら、どうすればいいのでしょうか?まずは話し合いで、相手の気持ちや理由をしっかりと確認するスタンスが大切です。離婚したがっている相手を困らせたり、執着や意地でNOを突きつけていると思われると、話し合いが平行線をたどってしまいます。

 

「離婚したい」といわれたからといって、すぐに離婚の賛否や結論を出す必要はありません。そこで大切なことは、相手に対する愛情や大切に想う気持ち、そして仲直りしたい理由を声で伝えることです。

 

 

 

 

 

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