離婚危機を乗り越えるには?夫婦関係が悪化するサインと修復方法

「離婚したい。」

夫や妻からそう言われたとき、「どうしてここまで悪くなったのだろう」と戸惑う方は少なくありません。

ただ、離婚危機は、その言葉が出た日に始まったとは限りません。

会話が少なくなった。
一緒に出かけなくなった。
相手に何かを話しても反応が薄くなった。
夫婦でいることより、一人で過ごす方が楽になった。

こうした変化が少しずつ重なり、夫婦の距離が広がった先で、「離婚」という言葉が出てくるケースが多くあります。

一方で、夫婦の危機を経験したからといって、必ず離婚になるわけでもありません。

一度は離婚を考えたものの、その後に夫婦の関係が変わり、結婚生活を続けているご夫婦もいます。

離婚危機では、相手の気持ちだけを見るのではなく、二人の間でいつから何が変わったのかを見る必要があります。

離婚危機の意味や夫婦の危機が起こる背景、離婚が近づいたときに現れやすい変化、危機を乗り越えた夫婦の特徴、反対に関係を悪化させやすい対応について、夫婦問題の相談で見られるケースをもとに解説します。

離婚危機とは?夫婦の危機から離婚を考えるまで

夫婦で話しても謝れない

夫婦の危機と離婚危機は、似た言葉ですが、夫婦の心理状態には違いがあります。

夫婦の危機は、これまでの関係に不満や違和感が生まれ、夫婦間の距離が広がっている状態です。

まだ「離婚したい」とまでは考えていなくても、

「一緒にいても楽しくない」

「何を話しても喧嘩になる」

「最近は一人でいる方が楽」

と感じるようになることがあります。

そこからさらに距離が広がり、

「この結婚生活を続けていいのだろうか」

「この人とこれから先も一緒に暮らしたいのだろうか」

と考えるようになると、離婚危機と呼ばれる状態に近づきます。

実際の相談では、次のような経過がよく見られます。

会話が減る

不満を言わなくなる

一緒に過ごす時間が減る

夫婦より自分の生活を優先する

相手への関心が薄れる

離婚を考える

この流れは、すべての夫婦に当てはまるわけではありません。

しかし、「突然離婚を言われた」と感じている場合でも、過去数か月から数年間を振り返ると、夫婦関係が変わった時期が見つかることがあります。

喧嘩がなくなったのに離婚危機になることもある

性格が合わない

離婚危機というと、激しい喧嘩を繰り返している夫婦を想像しがちです。

ところが、相談では「最近は喧嘩すらしなくなった」というケースもあります。

これは必ずしも関係が良くなったという意味ではありません。

何を言っても変わらない。
話しても否定される。
何度伝えても理解されない。

そう感じるようになると、相手に不満を伝えること自体をやめてしまいます。

その結果、家庭内では争いが減っていても、夫婦の心理的な距離は以前より離れていることがあります。

「喧嘩がない=夫婦関係が安定している」とは限りません。

むしろ、相手に何も期待しなくなったことで、静かな家庭になっている場合もあります。

夫婦の危機は必ずある?結婚生活で関係が変わる理由

浮気をする夫の心理がわからない

「結婚した頃は、こんな関係になるとは思っていなかった。」

離婚危機の相談では、この言葉をよく聞きます。

夫婦の関係は、結婚した時点で完成するものではありません。

仕事、子育て、住居、家計、親族関係、健康状態など、生活環境が変わるたびに夫婦の役割も変化します。

その変化についていけなくなると、以前は問題にならなかったことが、夫婦間の不満になっていきます。

子どもが生まれると夫婦の関係が変わる

考え方が違うなら

子どもが生まれると、夫婦二人だけだった生活から、親としての役割を優先する生活になります。

妻が育児に追われ、夫が仕事中心になる。

夫は「自分も仕事をしている」と考え、妻は「自分ばかり負担している」と感じる。

こうした認識の違いが積み重なると、夫婦の会話が子どもの話や家事の連絡だけになっていくことがあります。

夫婦として話す時間がなくなり、親としてしか関わらなくなると、子どもが成長した後に夫婦だけの関係が残っていないこともあります。

仕事や生活環境の変化も夫婦関係に影響する

転職、昇進、異動、独立など、仕事の変化によって家庭で過ごす時間が減ることがあります。

妻が仕事を始めたことで生活時間が変わる場合もあります。

夫婦それぞれが忙しくなれば、自然と会話の時間は減ります。

最初は「今は忙しいから仕方ない」と思っていても、その状態が何年も続けば、夫婦の生活が別々になっていくことがあります。

「言わなくても分かる」がすれ違いを生む

結婚生活が長くなるほど、

「これくらい言わなくても分かるだろう」

と考えるようになります。

しかし、夫婦であっても、相手が何を考えているのかをすべて理解できるわけではありません。

我慢している側は「気付いてほしい」と思い、何も言われない側は「問題ない」と受け取る。

この違いが積み重なると、ある時点で、

「今までずっと我慢してきた」

という形で不満が表面化することがあります。

夫婦の危機は、特別な夫婦だけに起こるものではありません。

長い結婚生活の中で環境が変わり、二人の関係も変わっていくことは珍しくありません。

問題になるのは危機そのものより、夫婦の間に生じた変化を放置したまま生活を続けることです。

離婚危機のサイン|夫婦関係が悪化すると何が変わる?

離婚届を突き付けた夫

離婚危機では、離婚という言葉が出る前から夫婦の間に変化が見られることがあります。

会話が生活上の連絡だけになる

「夕飯どうする?」

「帰りは何時?」

「子どもの迎えお願い。」

こうした会話はあっても、仕事や趣味、将来のことなど、夫婦自身について話す時間がなくなることがあります。

会話が続いているように見えても、夫婦としての交流がなくなっている状態です。

一緒に過ごす時間を避ける

休日に別々の予定を入れる。

帰宅しても別の部屋にいる。

食事の時間をずらす。

寝室を分ける。

このような生活が続くと、同じ家に住んでいても心理的には別々の生活になっていきます。

相手の行動が気にならなくなる

以前なら帰宅時間や休日の予定が気になっていたのに、何をしていても気にならなくなる。

これは「信頼できるようになった」という場合もあります。

一方で、相手への関心そのものが薄れているケースもあります。

「もう何をしていても関係ない。」

という感覚が強くなっている場合は、夫婦の距離がかなり広がっている可能性があります。

将来の話をしなくなる

住宅、旅行、老後、子どもの進学など、夫婦で決める将来の話題を避けるようになることがあります。

離婚を考えている側からすると、「これから先もこの人と生活する」という前提そのものが薄れている場合があります。

感謝や労いがなくなる

夫婦生活では、相手の行動を当たり前だと感じるようになりやすいものです。

しかし、

「ありがとう」

「助かった」

「お疲れさま」

という言葉がなくなると、相手の存在を認める機会も減っていきます。

これらの変化が一つだけなら、仕事や育児の忙しさなど別の原因も考えられます。

複数の変化が重なり、長期間続いている場合には、夫婦関係そのものが変わってきた可能性があります。

離婚危機を乗り越えた夫婦に見られる変化

夫と喧嘩を繰り返す

離婚危機を経験しても、結婚生活を続けているご夫婦はいます。

その経過を見ると、「一度の話し合いですべて解決した」というケースばかりではありません。

むしろ、日常の接し方が少しずつ変わっていったケースが多く見られます。

例えば、夫婦喧嘩になるとすぐ反論していた夫が、妻の話を途中で遮らなくなった。

妻が夫の態度に不満を感じたとき、責める言葉ではなく、自分が困っていることを伝えるようになった。

これまで家庭内でほとんど会話がなかった夫婦が、子どもの話だけではなく、自分たちの仕事や休日の予定について話すようになった。

こうした小さな変化が続くと、家庭内の緊張が弱まり、夫婦の会話が戻ってくることがあります。

反対に、離婚を避けたいという気持ちから急に優しくなり、数週間で元に戻ってしまえば、相手から「結局変わらない」と受け取られてしまいます。

相手を変えるより、自分の接し方が変わった

妻を追いい込まない

離婚危機を乗り越えた夫婦に多いのが、相手を説得して変えようとすることをやめたケースです。

「あなたも変わってほしい」

「もっと家庭を大事にしてほしい」

と求め続けるのではなく、自分の言葉や態度を見直していく。

その変化を相手が感じることで、夫婦間の警戒心が少しずつ弱くなることがあります。

ただし、これは「何でも我慢する」という意味ではありません。

夫婦関係を続けるために、自分がどこまで変えられるのか、相手に何を求めるのか、その線引きを考える必要があります。

離婚危機を乗り越えるために避けたい対応

夫が家を出てしまった

離婚危機になると、「離婚されたくない」という焦りから、相手との距離を縮めようとすることがあります。

しかし、相手がすでに夫婦関係に疲れている場合、距離を縮めることが逆効果になることがあります。

毎日のように離婚について話す

夫婦関係は変化する

「離婚するの?」

「本当に離婚したいの?」

「どうしたら考え直してくれる?」

と毎日のように聞かれると、相手は家庭に帰っても気持ちが休まりません。

一度話し合ったことを、何度も繰り返す必要はありません。

長文のLINEや手紙で気持ちを伝え続ける

自分を正当化する男性心理

謝罪や感謝を伝えること自体が悪いわけではありません。

ただ、相手が距離を置きたい状態で長文を何度も送れば、受け取る側には負担になります。

「こんなに思っているのだから分かってほしい」という気持ちが強くなるほど、相手の受け止め方とのズレも大きくなります。

「離婚したくない」と言い続ける

謝罪を聞かない妻の心理

自分の意思を伝えることは必要です。

しかし、

「絶対に離婚しない」

「子どものために離婚できない」

「家族なのだから考え直して」

と繰り返すだけでは、相手が抱えている不満には届きません。

相手がなぜ離婚を考えるようになったのかによって、必要な対応は変わります。

急に別人のように振る舞う

性格が合わない原因を知る

離婚危機になってから急に家事をする、急に優しくする、急にプレゼントをする。

こうした行動が相手に響く場合もありますが、短期間だけなら「離婚を避けるための行動」と受け取られることもあります。

言葉よりも、その後も続く態度の方が相手には伝わります。

離婚危機を放置すると夫婦はどうなる?

離婚を説得する

離婚危機を抱えたままでも、夫婦は生活を続けられます。

会話がなくても家事や仕事はできます。

食事を別々にしても生活できます。

休日を別々に過ごしても、すぐに何かが起こるわけではありません。

そのため、夫婦の間にある違和感が「普通の生活」になってしまうことがあります。

その状態が長く続くと、

夫婦より友人との時間を優先する。

家庭で話さず、職場や友人に相談する。

家に帰る時間を遅らせる。

別居を考える。

という変化が起こることがあります。

さらに、別居、離婚協議、離婚調停など、具体的な手続きへ進めば、夫婦関係を見直す余地そのものが小さくなる場合もあります。

だからといって、離婚危機になったらすぐに話し合えばいいというわけではありません。

相手が今どの程度疲れているのか、夫婦間に何が起きているのかによって、話す時期も距離の取り方も変わります。

離婚危機を感じた時、夫婦関係をどう考えるか

離婚寸前で別居した後の対面

離婚危機になると、「どうすれば離婚を回避できるか」だけを考えがちです。

しかし、その前に考えたいのは、

なぜ今の夫婦関係になったのか

ということです。

例えば、夫が「妻に否定されることが苦しい」と感じているのに、妻が「もっと話し合えば分かってもらえる」と考えていれば、二人の行動は逆方向になります。

妻が「夫が家庭を顧みない」と感じているのに、夫が「生活費を入れているから問題ない」と考えている場合も同じです。

同じ結婚生活を送っていても、夫婦が感じている問題は一致していないことがあります。

離婚危機を乗り越えるには、「どちらが悪いか」を決めるより、夫婦それぞれが何に傷つき、何を諦め、何を求めているのかを見る必要があります。

夫婦の危機から関係が変わるケースもある

円満な夫婦

離婚危機を経験した後、以前より夫婦の会話が増えたご夫婦もいます。

それまで相手に言えなかった不満を話せるようになった。

相手の考えを聞く時間が増えた。

夫婦で決めることを一人で決めなくなった。

喧嘩になりそうな時に一度距離を置けるようになった。

こうした変化によって、危機を経験する前よりもお互いのことを理解できるようになる場合があります。

夫婦の危機は、結婚生活の終わりを意味するものではありません。

ただし、危機の原因によっては、以前と同じ関係に戻すだけでは再び同じ問題が起こります。

「元の夫婦に戻る」より、今までとは違う関係を作れるかどうかが、その後の結婚生活に関係してきます。

離婚危機について心理カウンセラーに相談できます

言い分を聞く

「夫から離婚したいと言われたけれど、まだ修復できるのか分からない」

「妻が家庭内でほとんど話してくれなくなった」

「離婚の話が出ているが、何をすると余計に悪化するのか分からない」

このような場合は、夫婦のこれまでの経緯によって考えるべきことが変わります。

復縁専科では、離婚危機に至った経緯、夫婦の会話、別居の有無、離婚を切り出した側の言葉や態度などを伺い、現在の夫婦関係について心理面から分析しています。

「離婚したくない」という気持ちだけで相手に働きかけるのではなく、なぜ相手が離婚を考えるようになったのかを把握したうえで、今後の接し方を考えることが必要です。

心理カウンセラーが対応

離婚危機についてよくある質問

離婚危機について相談を受ける中で、特に多い質問をまとめました。

新婚夫婦の家庭内別居
離婚という言葉が出ていなければ大丈夫ですか?
必ずしもそうとは限りません。
実際には、離婚を口にする前から心理的距離が広がっているケースもあります。
会話量や態度の変化に注意が必要です。
会話がない夫婦はもう修復できませんか?
会話量だけでは判断できません。
最低限の連絡が取れている場合、関係改善の余地が残っていることもあります。
別居を提案されたら離婚確定ですか?
別居が離婚へ進むケースもあります。
ただし、
・冷静になりたい
・距離を置きたい
・一度整理したい
という理由で提案される場合もあります。
離婚危機はどの夫婦にも起こりますか?
程度の差はありますが、多くの夫婦が何らかの危機を経験しています。
長い結婚生活では、価値観や生活環境の変化によるすれ違いは珍しくありません。
記事監修
高橋

記事監修・高橋純代(心理カウンセラー)

臨床心理士・心理カウンセラー。

金城大学大学院 人間科学研究科 心理学専攻修了。

夫婦関係修復サポートを専門とし、2003年より夫婦問題相談に従事。これまでに5,000件以上の相談実績を持つ。

離婚危機における心理段階分析、感情的な対立を悪化させないコミュニケーション整理、関係修復に向けた行動設計を中心にサポートを行っている。

この記事の著者プロフィール
復縁専科運営事務局・横山美咲
復縁専科運営事務局・横山美咲

横山美咲(よこやまみさき) 心理カウンセラー・日本心理学会認定・認定心理士 2016年より夫婦問題・離婚回避・復縁相談に対応。 別居・離婚調停・夫婦関係修復に関する相談を中心に、実際の相談事例をもとにした心理分析と対応アドバイスを行っている。