新婚なのに離婚を切り出されると、大きなショックを受けるものです。結婚式を終え、幸せな未来を思い描いたばかりの時期だからこそ、戸惑いや不安はさらに増してしまいます。
そこで大切なのは、感情的に取り乱すことなく、冷静に問題の本質を見極め、夫婦関係をどう立て直していくかを考える姿勢です。
新婚にもかかわらず離婚を切り出された背景や、その後の対応方法、修復に向けた具体的な行動などを解説します。今抱えている不安を少しずつ整理し、二人の未来をもう一度見つめ直すきっかけにしていただければ幸いです。

新婚で離婚を切り出された理由は
新婚生活をスタートして間もない時期に離婚を切り出されると、驚きと悲しみ、そして混乱が押し寄せてくるものです。なぜ、幸せなはずの新婚期に離婚が話題に上がるのでしょうか。
結婚後に離婚を切り出された主な理由や背景について考えてみます。 結婚直後は、お互いの生活リズムや性格を理解し合うための適応期です。
新婚間もない時期に想定外の問題がいくつも重なると、ストレスが高まり、夫婦間の摩擦が顕著になります。もともと性格が合わないわけではなくても、慣れない家事分担やお金の管理、親族との付き合い方など、婚姻後に発生する負担が急増することで、性格の不一致を強く感じやすくなるのです。
このように、新婚で離婚を切り出される背景としては、価値観のすれ違いだけではなく、急激な生活変化からくるストレス、あるいは配偶者や実家の家族、親族との交渉トラブルなどが影響しています。
さらに、dvやモラハラといった深刻な問題が表面化するケースも、早期離婚を考える大きなきっかけになります。
結婚当初はお互いを思いやる気持ちが強いため、交際中または婚約中には見えなかった配偶者の言動に困惑することもあるでしょう。 加えて、新婚期に突然セックスレスになってしまったり、借金があることが判明したりすると、婚姻生活を続けることのメリットよりもデメリットを大きく感じてしまうことがあります。
このような理由が積み重なることで、「本当にこのまま結婚生活を続けても大丈夫なのか」と悩みが深まり、離婚という決断を検討してしまうのです。

新婚で離婚を切り出されたら考えること
離婚を切り出された直後は、頭が真っ白になり、どうしていいかわからなくなるかもしれません。ここでは、落ち着いて状況を把握し、次の行動を決めるために重要なポイントをお伝えします。

1. 自分の気持ちを整理する方法
離婚という衝撃的な言葉を突然突きつけられたとき、まずは自分自身の気持ちを静かに見つめ直すことが大切です。なぜ離婚の話が出たのか、冷静に考えるための土台をつくる時間をとりましょう。
- 紙に感情を書き出す 離婚を切り出されたときの驚きや悲しみ、怒りなどの感情を、箇条書きでもいいので紙に書いてみます。頭の中だけで考えていると堂々巡りになりがちですが、文字として書き出すと整理しやすくなります。
- 結婚生活で大切にしたいことを確認する 婚姻という新しい生活において、自分が大事にしていたはずの価値観や目標を思い出しましょう。子どもの有無や将来設計など、譲れない条件があったはずです。その条件を改めて自覚するだけでも、次に進む心の準備ができます。
- 実家や信頼できる人に相談する 気持ちを抱え込みすぎると視野が狭くなるものです。実家の家族をはじめ、親しい友人やカウンセラーに思いを打ち明けてみましょう。客観的な意見が得られると同時に、心の負担を少し軽くできます。

2. 夫・妻の言い分を理解する
離婚を切り出された場合、相手が何を考え、何を求めているのかをしっかりと理解する必要があります。自分だけが気持ちを主張していても、結婚生活という共同体は立て直せません。
新婚のタイミングで夫や妻が離婚を考えた理由や、不満に思っている点を聞き、可能な限り受け止める意識を持ちましょう。
- 感情的な反論は控える すぐに反論したり怒ったりすると、話し合いが感情的なぶつかり合いに発展してしまいます。まずはじっくりと相手の言葉に耳を傾ける姿勢を大切にしましょう。
- 離婚したい理由を具体的に確認する 性格の不一致や生活リズムの違い、セックスレス、金銭的な不安など、どのような内容が離婚の原因なのかを細かく聞くことで、本質的な課題を把握できます。
- 一度にすべてを解決しようとしない 夫婦間の問題は一日で解決しないことも多いものです。できるところから少しずつ解消策を話し合い、共通の目標を探っていくことが大切です。

3. 第三者の意見を求める重要性
夫婦二人だけで問題を抱え込むと視野が狭くなり、思い込みによるデメリットが生まれやすくなります。そこで、カウンセラーや弁護士、あるいは信頼できる友人・家族などの第三者の力を借りることを検討しましょう。
- カウンセリングのメリット 夫婦間の気持ちのすれ違いを対話によって整理し、専門家の視点から助言を受けることで、感情的なトラブルを回避しやすくなります。カップルカウンセリングは無料相談を行っている機関もあるため、早めにリサーチしてみるのもおすすめです。
- 弁護士への相談 もし離婚の可能性を検討せざるを得ないと感じたら、離婚調停や慰謝料請求など、法的な手続きを進めるうえでも弁護士のサポートが心強いです。財産分与や不貞行為にまつわる問題など、専門知識が必要な場面は少なくありません。
- 友人や家族の意見を取り入れる 自分たちだけでは見えない部分を、身近な人が気づかせてくれることも多々あります。ただし、全員のアドバイスを無批判に受け入れると混乱が深まることもあるため、複数の意見を慎重に吟味しながら参考にするとよいでしょう。

新婚で離婚を切り出された後の対応
新婚期という特別な時期に離婚を告げられた場合、感情を抑えつつも行動に移すことが必要です。
ここでは、具体的な対応方法を整理し、今後の流れを冷静に見極めるためのポイントを紹介します。
まずは、本当に離婚すべきかどうかを改めて考え、どちらの道が自分と相手にとって最善かを判断しましょう。
焦って結論を出すよりも、夫婦としてもう少し努力できる余地はないかを客観的に見つめ直す時間を持つことが大切です。 そのうえで離婚が避けられないと判断した場合は、手続きの流れを把握する必要があります。
協議離婚であれば夫婦間の話し合いが基本となりますが、深刻なdvやモラハラがある場合は、離婚調停など別の法的手続きを早めに検討することが安全です。
財産分与や慰謝料、子どもの親権といった問題は結論を急ぎすぎず、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら決めるとよいでしょう。
また、離婚後の生活を具体的にイメージすることも重要です。実家に戻るのか、家を引き払うのか、あるいは借金がある・ないなど、再スタートに必要な情報を洗い出し、再婚の可能性まで含めて長期的な視点を持つことです。
離婚という言葉に感情的になりすぎず、将来像を踏まえた落ち着いた行動が、結果的に自分を守ることにつながります。
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新婚離婚を避けるための課題
夫婦が離婚という危機を何とか乗り越えたいと望むのであれば、まず原因となる課題を明確にし、それを二人で解決していく努力が欠かせません。ここでは、新婚期にみられがちな課題と、その対処法を探っていきます。

1. コミュニケーションの重要性
どんな夫婦にも言えることですが、コミュニケーションは関係収束の要です。性格の不一致がある場合でも、オープンな気持ちで話し合うことができれば、トラブルを防ぐことができます。
新婚期はお互いを理想化しがちですが、想像と現実とのギャップは少なからず存在します。
- 積極的な会話の場をつくる 忙しさや気疲れから、日々の会話が少なくなると、いつの間にか感情の行き違いが大きくなる傾向にあります。意識的に夫婦だけの時間を確保し、感じていることや考えていることを共有しましょう。
- 感情を押し付けない 相手の発言を否定するばかりではなく、まずは「そういう考えもあるのか」と受け止める姿勢を大切にしましょう。モラハラと言われるほどの強い言葉や否定は、関係悪化を加速させる原因です。
- レスポンスを大切にする 「聞いている」という態度を示すだけでも、話し手は安心感を覚えます。わずかな言葉や相槌であっても、お互いに関心を寄せているというメッセージを伝え合いましょう。

2. 性格の違いを受け入れる方法
二人の人間が全く同じ価値観を共有しているわけではありません。むしろ、別々の環境で育っているため、何かしらの違いがあるのは当たり前です。この違いを排除するのではなく、互いの個性として受け止める心の柔軟さが求められます。
- 相手を変えようとしない 結婚後に相手の全てを自分に合わせようとすると、反発だけが大きくなります。柔軟に歩み寄る姿勢こそが、お互いの関係を長続きさせるコツです。
- 違いを楽しむ 趣味や好みの違いは、時に新鮮な刺激を与え合います。似ていない部分はあえて尊重してみると、結婚生活に新たな発見があるはずです。
- 第三者の例を参考にする 身近に結婚生活の長い夫婦がいれば、どうやって性格の不一致を乗り越えてきたかを尋ねてみましょう。具体的な事例を聞くと、自分たちの問題解決に応用できるヒントが得られます。

3. 夫婦関係を再構築するためのステップ
一度大きく亀裂が入ったとしても、夫婦が再び手を取り合い、やり直せるケースは少なくありません。そのためには、二人が一緒に取り組む段階的なステップが必要です。
- 謝罪や感謝を言葉にする どちらかが誤解や過ちを自覚したときは、素直に謝ると同時に「ありがとう」を伝える道を探りましょう。シンプルな言葉でも、信頼感は大きく回復します。
- 具体的なルールを決める 家事分担や生活費の管理など、同じトラブルが何度も繰り返されないよう、ルールを明確に設定します。不明確なままだと、ストレスや不満が再発しやすくなります。
- カウンセリングや夫婦セミナーの活用 関係がこじれる前に外部の専門家の力を借りると、イクメンやワークライフバランスの観点を取り入れるなど、公平で客観的な視点からアドバイスをもらうことができます。

新婚で離婚を切り出された後の修復方法
突然離婚を切り出されると、驚きや悲しみ、さらに怒りも湧き上がってくるかもしれません。しかし、ここで一度呼吸を整え、修復への可能性を探ることを諦めないでください。結婚を続ける意思があるならば、以下の方法を検討し、夫婦関係を立て直すチャンスをつかみとりましょう。

1. カウンセリングの利用
夫婦間の会話がうまくいかないと感じる場合や、すでに深くこじれてしまっている場合は、専門家のサポートが有効です。カウンセラーのもとで、冷静営業的に感情を整理しながら話し合うことで、新たな気づきが生まれます。
- 夫婦カウンセリングで問題点を明確化 夫婦共に専門家の前で話すことで、自分だけでは見えなかった問題や、配偶者が抱えていた葛藤を知ることができます。
- 個別カウンセリングの活用 相手と一緒に行くことに抵抗がある場合は、個別カウンセリングを受けてもかまいません。自分の気持ちを客観的に把握することで、離婚をどう捉えるかがクリアになる場合があります。
- 無料相談も検討 自治体や一部の専門機関では、無料や割引価格でカウンセリングや相談を行っていることがあります。負担を最小限に抑えながらカウンセリングを利用できるチャンスを探しましょう。

2. 夫婦の信頼関係を構築する
離婚を切り出されるほどの状況に陥ったからこそ、信頼をもう一度築き直すことは簡単ではありません。しかし、不可能ではないのです。大切なのは、小さな成功体験を重ねていくこと。
- お互いへの小さな配慮を積み重ねる 朝の挨拶や帰宅の連絡など、本当に些細なやり取りを怠らないことが、夫婦の心を繋ぎとめる重要な要素となります。
- 問題を一緒に解決しようとする姿勢 大きな問題であれ、些細なトラブルであれ、二人で解決する姿勢を見せると連帯感が強まります。「どちらのせいか」を追及するより、「どうしたらよくなるか」を考えましょう。
- 過度な干渉を控える 距離が近いからこそ、相手にとって不必要な干渉が生じやすくなります。相手のペースやプライバシーを尊重し、適度な距離感を保つことも信頼には欠かせません。

3. 新たな生活スタイルの模索
今までの生活スタイルが原因で衝突が起きていたのなら、一度思い切ってそのスタイルを変えてみるのも一つの手です。新婚生活は、一度仕組みを固定化してしまうと変えづらいという面がありますが、別の方法を模索することで関係のリセットを図れます。
- 家事や仕事のタイムスケジュールを再調整 「誰が何をいつまでにやるのか」を明文化すると、トラブルが減ります。双方が納得できるスケジュールを作るためにも、交渉や再検討を惜しまないでください。
- 趣味やレジャーを共有する 夫婦で楽しめる趣味を見つけると、お互いに楽しみを見出せる時間が増えます。共通の目標やワクワク感を作ることは、離婚回避に大きなメリットがあります。
- 定期的に二人の関係を見直す 一度上手くいっても、問題は新たに生まれたり成長を阻んだりします。1年に一度など、定期的に「夫婦会議」と称して関係を振り返る時間を持ちましょう。

結婚一年目の離婚率について
厚生労働省の資料でも指摘されるように、結婚一年目で離婚する夫婦の数は、決して少なくありません。
結婚一年目は、お互いの価値観に適応しようとする最初の大きな試練ともいえます。このとき「想像していた新婚生活」と「現実の生活」のギャップに耐えられず、早々に離婚を決める夫婦が一定数存在するのです。
その背景には、家計管理や生活費の分担など、今まで独身時代には気晴らしや交渉で解決していたことを夫婦で協議しなければならないという重圧があります。子どもを早めに欲しいと思うかどうかの方針も含め、まさに条件やライフプランのすり合わせが上手くいかないと、結婚当初から深刻な不満に発展しやすくなります。
新婚夫婦が交際期間中には見えなかった配偶者の一面に気付き、一気に不安や戸惑いが募ることもあります。たとえば、dvの兆候やモラハラと感じる言動など、見過ごせない問題が急に表面化すると、早々に離婚に踏み切るケースもあるのです。

結婚三年未満の離婚率が高い事実
結婚一年目だけでなく、結婚三年未満の離婚率が高いことも指摘されています。
これは、新婚時期から第二子の出産を検討する頃までの期間に、夫婦が激しい生活変化に直面しやすいためです。お互いの性格や問題解決の方法が合わず、精神的負担が大きくなると、やはり離婚が現実味を増してきます。
さらに、この時期は夫婦としての共同作業や家の購入を考える時期とも重なります。財産の形成や育児環境の整備などで意見が対立すると、不貞行為がない場合でも関係がこじれてしまうことがあります。
性格の不一致や考え方の違いを乗り越える努力が不十分だと、信頼関係が修復不能なほど崩れやすくなるのです。
ただし、逆に言えば、この時期にしっかりと問題を共有し、誠実に話し合いを重ねておけば、後々の離婚リスクを大幅に下げられるとも考えられます。結婚三年未満の時期に夫婦のルールや習慣を整備し、不安要素を一つひとつ取り除いていく作業が、将来的な安定にとって非常に大切です。

結婚一年目の夫婦が離婚を考える理由
結婚一年目では、想像以上に新しい生活に慣れることが難しく、離婚を考えるきっかけが多数存在します。一般的によく挙げられる理由としては、以下のようなものがあります。
- 性格の不一致や価値観のギャップ 結婚前はうまくいくと思っていたとしても、一緒に暮らし始めると想定外のトラブルが次々と起こり、相手の意外な一面にストレスを感じることがあります。
- 家事や育児に関する負担 共働きの場合は家事の分担がうまくいかず、専業主婦(夫)の場合には金銭感覚に対する不満が強まるなど、夫婦間で抱える負荷が高いほど衝突のリスクが上昇します。
- セックスレスやコミュニケーション不足 思うように愛情表現ができなかったり、忙しさや疲れで会話の機会が減ったりすると、夫婦関係が急速に冷え込む原因となります。

新婚離婚の原因から考えられること
結婚一年目の離婚原因を見ていくと、対応次第では解決できる問題も少なくないと感じられます。最初から完全に合意できる夫婦はまれであり、一緒に生活を築き上げるためには、お互いの努力が欠かせません。最後に、新婚夫婦ができる対策をまとめます。
- 定期的な夫婦会議 月に一度でも二人だけで話し合う場を設け、お互いの気持ちを率直にシェアします。決めるべき内容(家事分担や金銭面など)を把握し、条件のすり合わせをすすんで行うようにしましょう。
- 外部サポートの活用 離婚調停や弁護士相談など、法的な話だけでなく、結婚相談の専門機関を利用するのも手です。特に慰謝料や財産分与など、離婚時のメリット・デメリットを知るうえでも専門家の意見は大きいです。無料で相談できる窓口もあります。
- 夫婦関係のリフレッシュ 二人だけでゆっくりと過ごせる時間を意識的につくり、新鮮な体験を共有することが大切です。旅行や趣味を一緒に楽しめば、結婚する前のようにリラックスしてお互いを理解し合うことが可能です。

結婚したばかりの時期に大きな夫婦の危機を迎えることは、誰しも想定外の出来事でしょう。ですが、危機を乗り越えるために自分たちの問題と誠実に向き合い、早めに行動を起こせば、関係修復につながる大きなチャンスともなります。夫婦としての共同作業を再開する覚悟を持ち、必要に応じて第三者の助けを借りながら、時間をかけて関係を深めていくことが大切です。焦らず、二人が納得できる形を目指しましょう。

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