突然、夫・妻から離婚したいと言われたらどうすればいい?離婚したくない場合の奥の手を紹介します。夫婦仲の修復に導いた対処法を解説しています。配偶者から離婚を切り出された後の対応とやってはいけないことがわかるようになります。
離婚したくない場合の奥の手を使う前に
離婚を切り出されても離婚に応じたくない場合、まずは感情的にならずに冷静に状況を考えましょう。
どのような問題があるのか、夫婦間で話し合いをすることができるか確認して下さい。夫婦の問題を解決するためには離婚を切り出した夫・妻と話すをすることが重要です。
夫や妻から離婚したいと言われた後には、冷静であることが非常に重要です。感情的になると、さらに状況が悪化する可能性がありますので、冷静に対応しましょう。相手の気持ちを尊重し、理解しようとする姿勢が大切です。
夫婦の話し合いは長時間にならない配慮が必要です。すぐに相手の言葉を否定せず、なぜそのように感じているのかをじっくり聞くことが求められます。相手の離婚の意思が固い場合でも、お互いに落ち着いて話し合いをすることで、問題解決の糸口が見つかることもあります。

離婚したくないなら今すぐやるべきこと
夫・妻から離婚を切り出されても離婚したくないと感じた場合、冷静な対処が重要です。夫婦間でのコミュニケーションを見直し、お互いの意見や気持ちを尊重することが重要です。
①離婚を決意させたしまった理由を知る⇒結婚生活での自分の良くないところをどう自覚しているか?
②自分との結婚生活・暮らしで何が嫌だったのかを知る⇒価値観の違いを理解できているか?
③離婚回避のために自分に何ができるか?⇒離婚したいと思わせた原因を解決できるか?

離婚したくない場合の奥の手を解説
夫婦関係がぎくしゃくしている中で、離婚を避けたいと強く願う方も多いはずです。どうしても離婚したくないなら、思い切った対応が必要になることもあります。
夫婦カウンセリング30年の経験に基づいた有効な『奥の手』(最終手段)を具体的に解説します。すぐに実行可能な方法ばかりですので、参考にしてください。
①心理学のテクニックを活用する
②夫・妻の親に仲裁を頼む
③離婚届不受理申出書を提出する
④離婚したくない理由を手紙で伝える
⑤離婚協議や別居をしない

①心理学の『フット・イン・ザ・ドアテクニック』を活用する
心理学のテクニックに【フット・イン・ザ・ドアテクニック】という「まずは小さなお願いから始めて、徐々に相手の了承範囲を広げていく」コミュニケーション手法があります。
夫婦関係を円満に再構築できる可能性が高い向き合い方です。何度話しても平行線が続くようなら説得を続けるよりも焦らずに相手を尊重して向き合う選択をして下さい。
「離婚せずにやり直してもいい、もう一度一緒にいたい」と思ってもらうためには、最初から「離婚したくない」「やり直したい」と迫ってしまうと気持ちを押し付けられたと感じさせてしまい、話し合いを継続することが難しくなってしまいます。
- まずは3分を目途に今後について話しをする機会が欲しいとお願いをする
- 夫婦間のLINEでは家事や子供のことに関する事務連絡を優先して欲しいと頼む
- 夫婦の話し合いで「離婚したいと思った理由」を尋ねて離婚を切り出された理由を教えてもらう
無理に説得せずに日常の会話の頻度を少しずつ高めることがポイントです。
最初は話し合いのお願いに留めておき、ゆくゆくは「離婚せずにやり直す」という返事まで持っていく、という流れを意識しましょう。

②夫・妻の親に相談して仲裁をお願いする
夫婦間の問題が一向に解決しない場合、夫や妻の親に相談するのも一つの手です。親は長年の経験や知識を持っており、冷静かつ客観的な視点からアドバイスを提供してくれる可能性があります。
実際に、多くの夫婦が親の助言を受け入れることで、夫婦関係が改善されることがあります。親を交えた話し合いの場を設けることで、お互いの本音をより理解しやすくなるかもしれません。

③離婚届不受理申出書を提出する
離婚届不受理申出書を市区町村の役所に提出すると、相手が提出した離婚届が受理されなくなります。夫婦喧嘩の勢いで離婚届けを書いて渡してしまったなどのケースでは離婚届不受理申出書は有効な手段ですが、相手の気持ちをさらに硬化させるリスクもあります。必要以上に相手を追い込まず、夫婦の具体的な問題点の解決策を模索する姿勢を見せることが大切です。
不受理申出とは、離婚届などが知らない間に市役所・区役所に提出された場合に、私が承認するまで受理しないでくださいと事前に役所に申し出ておく制度のことです。

④手紙で離婚したくない理由を伝える
直接話すことが難しい場合や感情的になりやすい場面を避けるために、手紙で気持ちを伝える方法があります。
自分の気持ちや考えを整理して書くことができるため、相手にも冷静に受け取ってもらいやすいです。
手紙を書く際のポイントとしては、相手を責めたり攻撃する内容を避けることが重要です。自分がいかに相手を大切に思っているかを書きましょう。なぜ離婚を避けたいと思っているのか、将来に対する希望や改善点についても添えると効果的です。
理解を求める姿勢を示すことで、前向きな話し合いへの糸口となります。

⑤離婚協議や別居をしない
離婚条件など離婚後のことについて話し合わないようにして下さい。可能な限り同居を継続できるように説得して下さい。
「離婚届を書いて」と言われても離婚に同意をしない意志をきちんと示すことが大切です。「自分としては離婚せず修復を目指したい」と相手にハッキリと伝えましょう。
- 結論を急がない姿勢:相手側の感情が落ち着くのを待ち、互いに冷静な状態で再度話し合う
- できるだけ同居状態を維持できるように説得を継続する

離婚したくない気持ちの伝え方
離婚したくないなら説得をするよりも離婚を切り出した夫・妻の気持ちを受け入れることが大事です。気持ちを受け入れたことが伝われば「今すぐに離婚して欲しい」と結論を迫られる状態から少し変化が起きます。
お互いに気持ちの面でゆとりが持て話し合いを続けることができます。離婚回避できた夫婦は話し合いを何度も行い、信頼を回復させています。
夫・妻の気持ちを理解できるようにして下さい。「もう無理、離婚すると決めた」という言い分や自身が覚えていない出来事を指摘されても否定する前に「なぜ、教えて」と尋ねて下さい。
答えてもらえない場合も「話しを聞かせて欲しい」「理由を教えて欲しい」と話し合いを続けて下さい。
- 自分は離婚せずに夫婦仲を修復してやり直したいと思っていることを伝える
- 離婚せずにやり直してもらうために自分がこれから何ができるかを約束する
- 夫・妻がまだ言葉にはしていない結婚生活でのあなたへの不満を聞き取るために話し合う

離婚回避できた夫婦の話し合いの進め方
話し合いでは自分が離婚したくない理由を伝える前に相手の気持ちを尋ねて理解することが必要です。
「なぜ離婚をしたいのか」その理由を知る必要があります。あなたに対する不満や離婚を考えた理由を知り、自身に非があるのであれば改善することも可能です。
①どんなに夫婦関係が悪化していても2人で話すことができる。
②親族が介入して状態で離婚する場合の条件の交渉をしていない夫婦。
③別居中でも連絡できる夫婦。

離婚したくないならやってはいけないこと
離婚を切り出された直後は悪化させないために冷静な対応が重要です。
・離婚を切り出された直後の夫婦間のLINEやメールのやり取りは必要最低限で抑えるように心掛けて下さい。
・相手の発言を遮らずに言い終わるまで聞くことを心掛ける、自分の発言は相手が言い終わるまでは控える。
・離婚を切り出したことで夫・妻を責めない。
・離婚を切り出された直後は相手の親や友人・知人などへの相談はしない。
・家計や金銭の話し合いをする前にきちんと夫・妻が今後どうしたいのか、生活についての考えを尋ねる。

離婚回避が手遅れになる前にできること
夫・妻から離婚したい、あなたに対しての愛情がないから別れて離れたい、すぐに家を出たいと告げられた場合、夫婦で話すことが必要です。
離婚危機に直面した夫婦の話し合いは相手の考えを聞くことが目的であり、自分の言葉で相手を説得することではありません。話し合いの進め方としては、絶対に夫・妻の言い分を聞くことを優先して下さい。
あなたとパートナーの結婚生活を継続するために、この先も家族として暮らせると思ってもらうことが大事なのです。
もし過去の出来事(夫婦間のトラブル)について指摘させた場合、自分の記憶と言われている内容との違いがあるなど、まったく別の言い分があっても相手の発言を先にじっくり聞いてあげて下さい。
話し合いができるように夫・妻からあなたと話すことを拒否されていない限りは無視をしたり、責め続けるようなことは控えて下さい。
感情的な衝突をして離婚回避が手遅れになってしまうような夫婦関係の悪化を避けるために、冷静な状態で話し合いをすることが大切です。

離婚したくない人のための相談(無料)
創業の1993年(平成5年)から現在まで多数の夫婦問題の解決に関するご相談をいただいております。お悩みについてメール相談フォームからお問い合わせください。夫・妻の心理分析(初回無料)を提示いたします。
・離婚を切り出した夫、妻の今の本当の気持ちを心理分析で提示
・離婚を回避できる可能性と具体的な修復への対処法、離婚回避に必要な期間
・夫、妻が急に家を出た場合の対処法
・離婚したいと言われた後の話し合いの進め方、説得や謝罪すべき内容
・別居をした夫、妻への連絡内容やタイミング、LINEの送り方
・性格の不一致が原因の離婚危機の解決方法
・モラハラが原因で妻から離婚を切り出された後の対処法
・夫、妻の浮気が怪しいと感じた場合や不倫が発覚した後で離婚を避ける対処法
・自分の浮気が発覚して夫、妻から離婚を迫られた後の対処法
・家庭内別居や夫、妻から無視されている場合の解決方法
・別居をした夫、妻から離婚調停を申し立てられた場合の対処法
何が原因で離婚したいと言われたのか、どうすれば離婚せずにやり直すことができるのか、向き合い方と修復への対処法がわかります。
一人で悩まずお気軽にご相談ください。

よくある質問
- 夫(妻)から離婚したいと言われました。
離婚したくない場合にやってはいけないことを教えて下さい。 - ①まだ同居中であればできるだけ別居はしないで下さい。
②離婚後の条件(金銭のことや子供の親権のことなど)についての話しは自分からしないで下さい。
③離婚届けへの署名・捺印を求められても応じないで下さい。
④手紙やLINEで謝り過ぎないように気を付けて下さい。
⑤夫(妻)の承諾を得ずに相手の親に相談をしないで下さい。
⑥浮気を疑う発言は絶対にしないで下さい。
⑦できない約束は絶対にしないで下さい。
⑧無理に話し合いを求めたり、しつこく説得をしないで下さい。
- 夫(妻)から離婚を切り出されました。離婚を避けるにはどうすればいいですか?
- 感情的にならず、まずは相手の言い分を冷静に聞くことが必要です。離婚を考えるようになった理由をしっかりと受け止めることが重要です。
焦って結論を急ぐのではなく、冷静な話し合いを継続して下さい。絶対に浮気を疑うような言い返しはしないで下さい。
- 妻から性格の不一致が理由で離婚したいと言われた後で別居されました。LINEを送っても未読で放置されています。妻に手紙を書いて渡したいのですが、どんなことを書けばいいですか?
- 離婚を切り出された後で書いた手紙が離婚回避に逆効果になるケースが多いです。
LINEを送り続けるとブロックされるリスクや離婚調停を起こされた場合に「しつこいLINEが精神的な苦痛になった」と主張されて揚げ足を取られることがあります。謝りたいことは直接、話し合いで伝えて下さい。謝罪して気持ちを伝える方が安心感と説得力が高まります。
- モラハラが我慢できないと言って妻が家を出てしまいました。離婚したくないならどうすればいいですか?
- しつこく電話を鳴らしたり、LINEやメールを送り続けないで下さい。
まずは返事を待って下さい。メッセージの内容は短く、理由を尋ねるだけにして下さい。
今の状態でLINEやメールで居場所を尋ねても教えてもらえないケースが多いです。
無視が続く場合でも妻の親族や共通の友人・知人への連絡は3日程度は待って下さい。
妻からの連絡をきっかけに話し合いをお願いするようにして下さい。
- 夫が不倫をしていると思います。どうすればいいですか?
- 絶対に夫本人に対して浮気を疑っていると言わないで下さい。
警戒されて用心深くなり証拠を隠されてしまうリスクもありますが、浮気をしていなかった場合は夫婦としての信頼を壊してしまいます。夫のスマホやカバン、財布を無断で確認することは厳禁です。
夫の浮気が怪しいと思ったら「夫の浮気兆候」をご参照下さい。
- 相談をすると何をしてくれますか?
- 相手の性格分析、結婚観について分析で提示いたします。
離婚を切り出された理由など、ご夫婦ごとの事情に合わせた最適な対処法と夫婦関係を悪化させないための今すぐにやるべき改善策がわかります。
心理学に基づいた分析で離婚を回避するために考えること、やるべきこと、やってはいけないことがわかります。

離婚したくない場合の対処法(ケース別)
離婚したいと言われた理由ごとに最適な対処法があります。ケース別に取り組み内容の詳細を解説しています。

夫婦喧嘩の後で離婚したくないなら
夫婦喧嘩を繰り返してしまう、一度喧嘩をすると無視されるなどの状態が続き、修復を考えて話し合いをお願いしても「性格が合わないから無理」と話し合いを拒否されることがあります。その場合でも諦めずに根気よく、謝ることが目的ではなく、気持ちを理解するために話したいとお願いを続けて下さい。
夫婦関係で喧嘩は避けられないものですが、どうやって仲直りするか、謝り方を考えることも夫婦仲を改善するために重要です。喧嘩の後は冷静になることが大切です。謝ってから、これからは喧嘩を防ぐために悔しくても反論する前に夫・妻の言い分を聞くようにして下さい。

自分に原因がある場合は説得しない
離婚したくないけど自分が悪い場合は離婚を切り出された直後にしつこく謝罪をしたり説得をしないで下さい。
自分では覚えていない理由で離婚したい言われた場合の対策として、相手の言い分を聞くこと・気持ちを理解することを優先して下さい。

子供のために離婚したくない場合の対処法
夫婦の話し合いでは子供の気持ち、将来のことを最優先にした方針で修復を前提に考えたいことを伝えて下さい。
子供には夫婦の離婚の話しを聞かせないように配慮して下さい。
話し合いでは悔しさや負けん気から本心ではない言葉は信頼の維持の意味で絶対に発言を控えて下さい。
お子さんがいるご夫婦の多くは別居した後で子供の将来を考慮して離婚について考え直して再び家族として暮らすことを選ばれています。既に別居している場合は婚姻費用(生活費)の支払いは必ず早期段階で決めて実行するようにして下さい。

性格の不一致で離婚したくないなら
夫婦の考え方に大きな違いがあり、喧嘩を繰り返して性格が合わないと感じさせてしまったことが離婚原因になっているのです。婚姻期間の長い夫婦のケースでは熟年離婚に至る原因として性格の不一致と言われることが多いのです。
性格の不一致が離婚したい理由と言われた場合の対処法として、価値観が合わないことが原因で言い合いになってしまうなど、生活の関連した考え方つまり価値観の相違を実感させていますので、自分自身の態度を改めるなど、夫・妻の不安や不満を解決できるように自分自身を変える努力をすることが必要です。
・休日の過ごし方について夫婦で考え方が違う(夫は一人で過ごしたい、妻は外出したい)
・子供の教育について考え方が合わない(夫は家計の出費を抑えたい、妻は教育費を多く使いたい)
・夫婦の時間よりも友達付き合いを優先する
・親戚付き合いなど親族との関わり方の相違
・家計の管理のことで意見が合わない
・夫婦で会話がしたい夫と話したくない妻

経済的な理由で離婚したくないなら
経済的な理由で離婚を避けたいと考える場合、その背景にはさまざまな要因が考えられます。共働き世帯でも住宅ローンや子どもの教育費など、家庭の経済的負担が大きい場合があるため、経済的な安定のために離婚を避けたいと考えることが一般的です。具体的には、現在の収支と家計を見直すために夫婦できちんと話すことが重要です。

自分の浮気が発覚した後で離婚したくないなら
自分の浮気が発覚した場合は、嘘や言い訳をせずに正直に謝って下さい。
夫・妻の浮気が発覚したことが原因で離婚の危機に陥った場合は絶対に責め続けないように配慮が必要です。
夫・妻の浮気相手に自分から直接、連絡することは控えて下さい。

家庭内別居が続いても離婚したくないなら
離婚は切り出された後も同居できている場合は関係を修復できる可能性は高いです。家庭内別居状態が続いて生活環境の変化が子供に与える影響は小さくありません。
お子さんがいる家庭は離婚になる前に家庭内別居を解消したい、離婚したくない思いが強い方が多いです。夫婦の会話ができない状態で気まずくても朝、帰宅時など挨拶だけでも声を掛けるようにして下さい。

家を出て行かれて別居になっても離婚したくないなら
本人から行き先が聞き取れない場合でもこれ以上の関係の悪化を防ぐ意味で実家の両親・親族や夫・妻の友人への相談は控えて下さい。
別居後にどこに行ったのか、まず探す前に本人にLINEやメール、電話で尋ねて返事を待って下さい。
一方的に別居をすることは法的に悪意の遺棄と言われることがありますが、絶対に法律の観点で責めるような言葉は向けないで下さい。
別居された場合、重要なことは定期的に連絡を取り合うということです。家に帰って来て欲しい、帰りたいなど、別居解消(再同居)に向けた本心を声にする向き合い方が重要になります。

妊娠中の妻から離婚したいと言われたら
妊娠中の妻から離婚したいと言われたら冷静に話しを聞くことが大事です。出産を控えた妻が離婚したいと言い出した心理には、あなたへの甘えや失望など気持ちをわかって欲しいからです。マタニティーブルーで一時的に悲しい気分で落ち込んでいる、あなたの愛情を疑って不安になっているなど、安心するためにあなたの本音を確認していることが多いのです。

調停で離婚したくない場合の対応
法律的な最低限の知識をもっておくといいでしょう。離婚サイトの情報だけではわからない、夫婦の離婚問題を解決するための法律の知識がわかります。
離婚をめぐる問題は、一度感情的になってしまうと冷静な話し合いが難しくなるケースが少なくありません。
特に「離婚したくない」と望む側にとっては、相手の意思をどのように受け止め、どのように行動すれば回避につながるかを知っておくことが大切です。
家庭裁判所での調停や、その先の裁判手続きにおいても、自分の気持ちだけで突き進むのではなく、法律や手続きの流れを理解し、冷静に対処することが求められます。
離婚調停や裁判に至る可能性がある場合に知っておきたい基礎知識と、離婚を回避したい人のための具体的な対応策を解説します。

離婚の種類について
日本の法律では、夫婦が婚姻関係を解消する方法として大きく4種類の離婚手段が存在します。どの方法で進めるにしても、離婚を望まない側としては早い段階でそれぞれの特徴を理解しておくと役立ちます。
- 協議離婚:夫婦間で合意できれば、役所に離婚届を提出して成立
- 調停離婚:家庭裁判所での調停を経て、調停委員を交えた話し合いによって成立
- 審判離婚:調停で合意寸前まで至ったにもかかわらず、正式な署名前に問題が起きた際など、裁判所の審判によって決まる場合
- 裁判離婚:調停が不成立になった場合など、訴訟の判決で離婚が確定
なかでも多いのは協議離婚と調停離婚です。協議離婚ならば夫婦がお互いに同意しているのかが大前提となり、一方が離婚を拒否しているからといって即座に成立するわけではありません。
法定離婚事由とは、以下の5項目が定められています。
・不貞行為があった場合
・悪意の遺棄
・3年以上の生死不明
・回復が見込みがない強度の精神病
・その他の婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。

調停委員を味方にする方法
夫婦関係等調整調停(離婚調停・円満調停)の場では、夫婦それぞれに担当の調停委員が付きます。しかし、担当になった調停委員が必ずしもこちらの主張をすべて肯定してくれるわけではありません。
あくまで調停委員は中立であり、客観的に問題点を整理し、合意への手助けをする立場です。しつこく「離婚は絶対イヤだ」と言うだけでは、調停委員は味方になってくれません。
離婚回避を望むならば、調停委員からの伝わり方を意識し、次のような点に気をつけましょう。
- 『夫婦の歩みの年表』を作成して持参する
- まずは感情的な言葉を避け、落ち着いた態度で接する
- 自分の非や改善すべき点を認める姿勢を明確に示す
- 修復に向けてどのような努力をするつもりか、具体案を用意する
- 相手の言い分・不満点をしっかりと聞き、否定や批判ばかりしない
結婚生活への不満や愚痴、相手の悪口を言わないように配慮をして下さい。出会ってから現在までの『夫婦の歩みを年表』にまとめた紙を持参するなど調停委員にわかりやすく経緯を理解してもらうように配慮をして下さい。
調停委員に「この人は本気で離婚を回避しようとしている」と伝われば、相手にもその思いが届きやすくなります。
調停委員があなたの考えを理解してくれるよう、具体的な行動計画や改善案を示すと効果的です。
家庭裁判所で行われる「夫婦関係調整調停」は、離婚そのものだけでなく、夫婦が抱えるさまざまな問題を調整し、解決への糸口を探す場です。
調停で話し合われるのは以下のような内容です。
- 離婚の可否(本当に離婚を進める必要があるのか)
- 子どもの養育や親権・監護権に関する話し合い
- 財産分与・慰謝料・年金分割などお金に関する問題
- 夫婦関係の修復が可能かどうかの模索

円満調停の申し立てについて
別居後、パートナーからの無視が続く場合の一つの解決策として、家裁で夫婦関係等調整(円満)調停を申し立てることが効果的です。3年から5年の別居期間が経過すると離婚裁判では婚姻関係が破綻していると判断されてしまうことがあります。
この調停は、離婚を避けるために、改めて夫婦関係を改善する方法を話し合い、円満な関係を取り戻すための手続きです。
調停委員が間に入ることで、感情的な対立を避けつつ冷静に話し合いが進められます。強制力のある判決ではなく、第三者を間に立てて合意を図る手続きです。離婚を望む側・望まない側の温度差があっても、現時点で共通の落としどころが見つかるかを探りたい場合には調停の利用が有効です。

もし離婚調停が不成立になっても修復を望むなら
調停が不成立となり、離婚裁判に移行するという可能性がゼロではありません。一般的に裁判離婚までいくのはごく一部ですが、大きな金額の慰謝料や財産分与、子どもの親権問題などが絡む場合には話し合いが平行線のまま裁判へ進むことがあります。
裁判になると、夫婦間での話し合いというよりは「離婚原因が法的に認められるかどうか」「子どもの親権はどちらが適切か」などを、証拠や書類をもとに検討される流れとなります。とはいえ、裁判の場でも全面的な対立が続くと、その後の家族関係に大きな溝を残しかねません。もし最終的に離婚が回避できなくても、将来的な子どもの面会交流や財産分与の折衝など、話し合いが必要になる局面は残るでしょう。
離婚裁判をする人は少ない傾向があります。
調停不成立後に離婚裁判になってしまうケースについてですが、一般的な弁護士への法律相談でも離婚裁判について詳しく説明を聞くことは可能です。
実際に訴訟になり裁判に至るケースとして、離婚に伴う大きな金額の慰謝料請求や財産分与が伴う場合や子どもの養育費や親権・監護権のことで夫婦間の話し合い(協議)では平行線になって解決できないケースです。
離婚調停が不成立になった後でも夫婦の話し合いでは折り合いがつけられない理由がある場合となっています。
裁判には証拠など書類の準備が大変なこと、特に相手方が専業主婦の場合は弁護士さんの費用でお金がかかってしまうこと、いつまで続くかわからない不安などがあり、実際に裁判を起こすことを悩んで調停が不成立になっても訴訟を検討していると言いながらしばらく何もせずに放置されてしまう人が多いのです。
離婚裁判になったとしても、修復を強く希望する場合は次のポイントを心がけてください。
- 裁判の場でも穏やかな態度を心がけ、逆上しない
- 離婚回避の意志を示すだけでなく、具体的な改善策を提示する
- 弁護士とよく相談し、離婚したくない理由や家庭の状況を整理する
- 裁判所が判断する証拠・資料については正直に準備する
離婚を望まないなら意地を張るのではなく、法的なプロセスと相手の意向を踏まえつつ、自分の気持ちを冷静に伝える努力が欠かせません。
離婚問題は日常生活の中でも精神的な負担が大きく、それまで築いてきた家族関係に影響を及ぼすものです。だからこそ、安易に白黒つける前に、まずは調停委員という第三者の目を活用して冷静に折り合いを探ることが大切です。
もし裁判に進んだとしても、修復の余地や夫婦としての再出発への道がまったく閉ざされるわけではありません。大切なのは、どの段階においても、自分自身の意志や思いを的確な形で伝え続けることです。

離婚したくない場合の奥の手のまとめ
離婚したくない場合に使える奥の手について、離婚を回避するための話し合い、離婚届不受理申出書の提出、手紙による気持ちの伝達、親への相談、円満調停の申立てなど、一つ一つの手段について冷静に検討をされて下さい。
夫婦関係を修復するための具体的な行動や話し合いの進め方についても触れました。お互いの理解と信頼を深め、夫婦関係の再構築を目指しましょう。
最近の日本における離婚事情は、非常に多様化しています。厚生労働省の統計によれば、離婚件数は年々増加傾向にあります。子どものいない夫婦や共働き世帯での離婚が多いことが特徴です。
司法の場でも、離婚関連の相談件数は増加しており、離婚調停や裁判離婚が一般的な手続きとなっています。夫婦間の問題が深刻化した場合、法的手続きを選択する夫婦も少なくありません。
夫婦の性格の不一致はどちらか一方の性格に問題があるのではなく、結婚生活の過程で一方が相手の短所を苦手と感じてしまうなど暮らしの価値観、愛情の向け方、求め方、任意の尊重など気持ちの問題が起因となり感じてしまう不満のことです。
夫婦問題に関する法律上のことについて弁護士が答える離婚問題に直面した時の法律の知識に関するQ&Aのページの記事を参考にして下さい。

【記事監修】弁護士法人プラム綜合法律事務所・梅澤康二弁護士
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