夫婦で離婚危機を乗り越える方法とは?対処法を解説【弁護士監修】

離婚危機を感じる瞬間は、家族として長く連れ添った夫婦であっても避けて通れないものです。けれど、そこで諦めるのではなく“どうやって離婚回避を実現するか”が重要です。夫婦の危機は必ずあるといわれますが、行動次第で関係が好転する余地は残されています。本記事では、離婚回避のために役立つ具体的な対処法を徹底解説します。

離婚危機を乗り越える方法を解説

夫婦の間に離婚危機が訪れたとき、多くの人が「もう無理かもしれない」と不安や諦めの気持ちを抱いてしまいます。しかし「夫婦の危機は必ずある」とされるように、一度は深刻だと感じる局面に立たされることは珍しくありません。

実際に「別居したい」と切り出されたり、「離婚届を書いてほしい」と迫られたりなど、一気に緊張が高まるケースもあります。 本気で離婚を回避したいと心から願っているならば、まずは冷静に状況を把握し、心構えを整えることが欠かせません。離婚を考えるほど相手を追い込ませる原因や、不満の正体を理解する姿勢も大切です。

怒るなら離婚するつもり

離婚危機の深刻度チェックリスト

「私たち夫婦はどれくらい深刻な段階にいるのだろう?」と不安な方は、下記チェックリストを参考にしてみてください。

MEMO

離婚危機の深刻度を見極めるために、多くの夫婦に共通する要素をまとめたチェックリストです。

  • 夫婦喧嘩の後で自分からちゃんと謝ることができなかった
  • 夫婦の結婚記念日や誕生日にきちんとプレゼントを渡せていない
  • 夫・妻が旅行など希望したことを聞き入れたことがない
  • この数カ月、ごめん・ありがとうなど謝罪やお礼を言うことが苦手で伝えていない
  • 夫婦喧嘩で離婚する、離婚してもいいと言ってしまったことがある
  • 経済的な理由(生活費への不満)が原因で喧嘩になり、その後謝ってもらえていない
  • 育児・教育への考え方の違いが理由で離婚すると言われたことがある
  • 夫・妻が今、何を考えているのかがわからない
  • 夫・妻の交友関係に興味や関心がないため友達のことを夫婦で話す機会がない
  • 家事についてどちらかに任せてしまい自分は無関心な状態が続いている
  • お互いに悩みを話し合えていない
  • 夫婦関係が冷めてこの先は同居を続ける意味がないと言われたことがある
  • セックスレスが当たり前の状態が1年以上続いている
  • あなたと結婚したことを後悔している、今は幸せではないと思っていると言われたことがある

3つ以下の該当であれば、適切なコミュニケーションをとることで最悪の事態を避けられる可能性は高いです。

反対に5つ以上あてはまる場合は、これからの行動次第で離婚危機を回避できるかどうかが左右される段階と考えられます。

離婚について悩んでしまう

離婚危機はどの夫婦でも起きる可能性がある

夫婦は元々他人同士です。そこに性格的な違いや価値観の相違があってもおかしくありません。

一方で、結婚生活が円滑なときは「自分たちはうまくいっている」と安心しがちですが、飽くまで夫婦の危機は必ずあるもので、ある日突然、それが顕在化することもあります。

大切なことは、危機を「今後のより良い関係づくりへのきっかけ」と捉えられるかどうかです。

修復までの期間がわからない

焦らず現状を整理する

離婚を切り出されると、「早く解決しなきゃ」と唐突に何かを行動したくなる衝動に駆られます。けれど感情のままに突っ走ると、相手をさらに追い詰めてしまいます。そこで大切なのは、まず冷却期間を設けるなりして、焦らず整理することです。

  • 夫婦関係が悪化した原因を振り返る
  • 相手の怒りや不満を理解するためにどんな情報が必要か把握する
  • 自分から歩み寄れる部分を素直に認めてみる

こうしたステップを踏むことで、離婚回避に向けた落ち着いた行動を取りやすくなるでしょう。

相手への敬意を失わない

一度感情がこじれると、長年連れ添った夫婦同士であっても相手を傷つける言葉を口にし、結果として修復困難な状態に陥ることがあります。

離婚危機を本気で回避したいのであれば、まずは「相手を思いやり、敬意を示す」姿勢を保つことが重要です。丁寧な言葉遣いと配慮ある行動を心がけましょう。

夫婦で話しても謝れない

夫婦の危機は必ずある理由と対処法

ここでは「夫婦の危機は必ずある」といわれる背景について解説します。日常的にすれ違いを起こしがちな夫婦ほど「離婚危機はうちだけ?」と悲観的に考えてしまうかもしれませんが、けっして特殊なことではありません。

むしろ長い結婚生活を送るうえで、クリアすべき通過点として見なすこともできます。 夫婦生活には以下のような重大な局面が訪れる可能性があります。

  • お互いの価値観のズレが積み重なり、小さな不満が爆発する
  • 子育てや仕事の忙しさによる会話不足が深刻化する
  • 親や親族との付き合い方での意見衝突(嫁姑問題など)
  • 経済的なトラブル(借金・ローン・収入変動など)
  • 浮気・不倫、モラハラなどの深刻な裏切り行為

絶対に危機が起こらない夫婦はいません。ただ、その危機をどう受けとめ、どうやって乗り越えるかによって、最終的に「離婚」という道を回避できるかが決まっていきます。

妻の言い訳から嘘を見抜く

“他人”同士である以上、性格の不一致は当然起こる

性格や育ってきた環境が似通っている夫婦であっても、些細なところで違いが浮き彫りになり、やがて不信感へと繋がる可能性があります。

たとえば「お金の使い方」や「趣味の優先順位」などがずっと合わないと、ストレスを感じてしまうものです。夫婦がお互いの性格を理解し合い、尊重し合うための努力は、離婚危機を回避するうえで欠かせません。

環境の変化で夫婦関係は揺らぎやすい

子どもの誕生や、どちらかが転職や独立をしたり、親の介護に直面したりなど、ライフステージの変化によって夫婦関係は簡単に揺らぎます。

忙しさやストレスでコミュニケーションの時間が減り、不満をぶつけ合うようになると離婚の危機へと発展しやすいのです。

“慣れ”が生む油断とマンネリ

結婚生活が長くなるほど、夫婦間の日常会話やスキンシップがおろそかになりがちです。どちらかが「あの人なら理解してくれて当然」と勝手に思い込むことが増えると、相手を思いやる行動が激減してしまいます。

その結果、片方は「自分が大切にされていない」と孤独を感じ、離婚を具体的に検討し始めるケースが少なくありません。

夫が家を出てしまった

離婚危機のサインを感じた後の対処法

離婚危機に至る前には、いくつかのサインが現れることが多いです。日々の些細なやりとりの中で、お互いへの関心が薄れていくと「家庭内別居」と呼ばれるような状態に陥ります。

ここでは、代表的な離婚危機のサインを振り返ると同時に、早期対処法を確認しておきましょう。

妻は本気で冷めている

夫婦の会話が極端に減る

もっとも見落としやすいサインとして「会話不足」が挙げられます。いつのまにか事務的な連絡だけで済ませ、悩みごとや日常の何気ない会話を一切しなくなると、心の距離は一気に広がります。

話し合いの機会が激減することで、不満や不安を解消できないまま、すれ違いが加速してしまうのです。

  • 朝のあいさつや帰宅時の「おかえり」がなくなった
  • 子どもの用事や支払いの話だけしてあとは無言
  • スマホやテレビを見ながら適当に相槌を打つだけ

このような状態になったときこそ、一度冷静になって「夫婦で向き合う時間」を意図的に作りましょう。

相手を責める言葉ばかりになる

離婚の危機が近づいている場合、夫婦喧嘩の際に「あなたが悪い」「どうせあなたなんか」と感情的な言葉で相手を傷つける場面が増えがちです。こうした口調や態度は、互いへの尊重を奪い、深刻な溝を作りやすいため注意が必要です。

悩んでしまう

生活時間帯や生活空間がまったく合わない

夫婦なのに、ほぼ顔を合わせず、寝室や食事もバラバラといった「家庭内別居」に陥ると、夫婦関係の冷え切りは相当進んでいると言えます。物理的に距離があると、一緒に過ごす時間がないため「今、相手がどう考えているかわからない」という不安が強まります。もしこの段階に来ているなら、できるだけ早く本音の話し合いを始めるべきです。

離婚危機を乗り越えるためのステップ

離婚危機のサインを見逃さず、それ以上悪化させないためにも必要なのが、具体的な「離婚回避のステップ」を踏むことです。ここでは話し合いの進め方や心理学を応用した冷却期間の活用など、実践的な方法を紹介します。

妻が怒っている理由がわからない

平行線なら“タイムアウト”を試みる

一度怒りが爆発してしまうと、どちらも冷静さを失ってしまいがちです。そんなときこそ「タイムアウト」を採用します。たとえば、1週間程度お互いの連絡を最低限にして「冷却期間」を設けることで、それまでの思考や感情を整理できる効果があります。

  • 一旦、説得や否定をせず「相手の感情」を受け止める
  • 話を切り出すタイミングをずらし、お互い頭を冷やす
  • 必要に応じて第三者を交え、客観的なアドバイスをもらう

このようなプロセスで「離婚を急に迫ること」や「強引にご機嫌を取ること」を避けられます。

折り合えない夫婦

相手が話しやすい雰囲気を作る

話し合いで絶対にやってはいけないのは、相手の言葉を途中で遮り、自分の主張だけをまくし立てることです。

離婚を切り出した側は、そもそも「自分の話を聞いてもらえない」「このまま結婚生活を続ける意味がない」と考えているかもしれません。

だからこそ、まずは「どこに不満があるのか」「なぜこのような行動を取ったのか」を丁寧に尋ね、相手に主導権 を感じてもらう工夫が必要です。

言い分を聞く

譲れない部分がぶつかったら沈黙を活用

「お金の使い方」や「子どもとの接し方」など、生き方や価値観の根幹に関わるテーマは、どこかで衝突が避けられないことがあります。そこで話し合いの最中にヒートアップしそうになったら「あえて数秒黙る」ことが役立ちます。

  • 深呼吸して落ち着く時間を持つ
  • 相手が言い過ぎる前に場を冷ます
  • 沈黙後に「少し考えさせて」と仕切り直す

これだけでも、離婚回避を望む側が「相手を受容する態度」を示せます。自分も相手も負の感情に振り回されず、より建設的な話し合いへつなげられるでしょう。

夫から離婚すると言われた後

離婚危機に陥った本当の原因を知る

離婚を要求された原因は「性格の不一致」に留まらず、金銭問題や浮気、モラハラなど深刻なテーマが含まれる場合もあります。

それぞれが離婚危機に直結する背景とどう回避に取り組むべきかを概観します。

離婚を迷う

金銭トラブルによる不安

結婚生活では収入や支出を共有することが多く、思わぬ借金や浪費が発覚すると夫婦関係を根底から揺るがします。とくに「相手がこっそり借金をしていた」「趣味やギャンブルで大きな負債を抱えた」などの場合、信頼を大きく損なうでしょう。

  • まずは正直に現状を説明し、隠し事はしない
  • 家計を共同管理にして、透明性を高める
  • 返済計画を明確にし、無理のない範囲で協力する

こうした行動は「自分が悪かった」と誠意を示しながら、再構築する足がかりとなります。

新婚夫婦の家庭内別居

浮気・不貞行為による裏切り

浮気や不倫が発覚すると、裏切られた側は激しいショックを受けます。法的にも有効な離婚事由となり、慰謝料の請求が絡むケースも珍しくありません。浮気が事実であれば「きちんと謝る」「今後は繰り返さない証拠を示す」ことが欠かせません。

価値観の違いで悩む

モラハラなど言葉による精神的暴力

暴力には「殴る・蹴る」などの身体的虐待(DV)だけでなく、人格を否定するような言葉や常に監視する行為などの精神的虐待(モラハラ)も含まれます。このような状態は相手の尊厳を傷つけ、離婚を考える大きな要因となります。

  • 相手の判断や行動を異常なまでにコントロールしない
  • 尊厳を踏みにじる言い回しや侮辱行為を絶対にしない
  • もし自覚があるなら、専門のカウンセリングを受ける

お互いに話し合う前の段階で「第三者のサポートを活用する」のも手段のひとつです。

離婚危機を乗り越える対応について

実際に「もう離婚寸前」とまで言われた夫婦が、話し合いや専門家のサポートを通じて関係を修復したケースは数多く存在します。ここでは、そんな事例から何を学べるかを整理していきましょう。

浮気と決め付けて責めない

コミュニケーションを再開して変わった夫婦

ある夫婦は、完全に家庭内別居状態でした。会話は食事や洗濯など最低限の連絡だけ。ところが、一度大喧嘩をしたことをきっかけに「一度じっくり話そう」と決意し、やや強引にでも1時間だけ向き合う時間をつくったそうです。

すると、お互いが日頃感じていた不満や不安を吐き出すことができ、結果的に「随分相手の気持ちを誤解していた」と気づき、離婚危機を回避できました。

妻を追いい込まない

親や友人に相談するのをやめ、夫婦で話し合ったケース

周囲のアドバイスは一見ありがたいものですが、なかには「あなたにはもっといい人がいる」「すぐに家を出るべき」など、煽るような意見も混ざります。かえって夫婦の溝が深まるリスクがあるのです。

ある夫婦は離婚の話が出た際、双方が実家や知人に依存するのを一旦ストップして、落ち着いて二人で向き合ったところ、無事に離婚を回避できました。

離婚を迫られたら

お金や仕事の不安を共に解決した夫婦

経済的に苦しい状況で、片方がリストラされたり独立に失敗したりすると、夫婦の信頼関係も揺れます。

しかし、ここで感情的になって責め続けた結果、本当に離婚の流れを加速させるより「どこまで支出を見直せるか」「どうやって収入を増やすか」と建設的に取り組むことで絆を取り戻すケースも少なくありません。「一緒に乗り越えよう」と覚悟を決めることで、相手にとってのかけがえのない支えになることができるでしょう。

夫の気持ちが離れて不安

離婚危機が悪化した後の対応

離婚危機に陥った夫婦が自力で解決を試みても、互いの意地や過去のわだかまりが邪魔をしてスムーズに話が進まないことがあります。そんなとき「専門家のアドバイス」を取り入れると、冷静かつ客観的な視点で問題を整理できるメリットがあります。

離婚届を書いてと言われた

弁護士への相談について

離婚の問題は法律的手続きや財産分与、慰謝料などの問題が絡むため、弁護士に相談しておけば安心です。離婚回避を望む場合であっても、将来起こりうるトラブルを把握したうえで「自分にとって最善の行動」を検討しやすくなります。

特に、不貞行為やモラハラなど重大なテーマが絡む場合、正確な法的知識を得ることが離婚回避の糸口になることもしばしばです。

結婚生活に悩んでしまう

離婚危機を乗り越えるための相談【カウンセラーが対応】

離婚回避についてのご相談をいただくことで心理カウンセリングや具体的な行動のアドバイスをいたします。

離婚危機の場面では、ひとりで抱え込まないこともポイントといえるでしょう。まずは「自分たちの問題は、解決に向けて取り組むだけの価値がある」と信じる心構えを持つことが重要です。

離婚を切り出された夫や妻の本音を把握し、離婚回避につながる具体策を分析・提案いたします。修復への道筋を一緒に探ることが可能です。

お気軽にご相談ください。

フォームから送信いただくか、メールアドレス:ask@fukuen.jpまでお問合せ下さい。

ご相談から分析までの手順

夫婦が仲直り

よくある質問

離婚危機と感じた場合、やるべきことを教えて下さい。
まず、離婚危機に陥った原因をきちんと理解して下さい。どうすれば離婚せずにやり直してもらえるのか、話し合いで夫・妻の考えを聞くことが必要です。
夫婦の危機でそのまま別居や離婚になってしまうケースは多いのですか?
実際には夫婦の危機が原因で離婚を選択するケースは少ないです。
子供のことや住宅ローンのことがあり別居や離婚を選択する夫婦は少ないのです。
考え方が違うなら

離婚回避の相談について【まとめ】

復縁専科では、こうした状況の夫婦に対し「離婚危機を回避するための具体策」を提示し、心理的なサポートを行っています。

「どうして離婚を思いとどまってもらえないのか」「夫(妻)が今なにを求めているのか」など、見えない相手の本音を知り、適切なタイミングで行動するためのカウンセリングが可能です。

  • 相手の話に耳を澄まし、遮らず傾聴する
  • すぐに感情的にならず、タイムアウトや沈黙を活用する
  • 必要に応じて第三者のサポートを得る(弁護士・カウンセラーなど)
  • 「夫婦の危機は必ずある」と受け止め、改善策を一緒に探る姿勢を持つ

離婚は人生の大きな分岐点の一つです。「一度離婚を考えたらもう終わり」ではありません。悩んでいる今だからこそ、できるだけ早い段階で情報を集め、信頼できる専門家に相談しながら夫婦で新たな一歩を踏み出すことが大切です。もし「もう無理かな……」と感じていても、離婚を現実にする前に最後まで「離婚回避」の道を模索してみましょう。

夫・妻との関係が悪化し「離婚しか選択肢はない」と思い詰めるほど辛い気持ちになっている場合こそ、実は修復の余地が残っているケースも多くあります。危機の先には「もう一度、一緒に未来を描いてみたい」という思いに気づくチャンスがあり、深く傷ついた関係を修繕しながら、以前よりも強い絆を取り戻すことが不可能ではありません。

大切なのは、どちらか一方だけではなく、夫婦二人が「改善や努力に向き合う意志」を持つことです。互いに少しずつ歩み寄り、相手を尊重し続けることが、離婚を回避するための最短距離です。ぜひ諦めず、夫婦の未来をもう一度見直してみてください。

記事監修弁護士
梅澤康二 弁護士

【記事監修】弁護士法人プラム綜合法律事務所・梅澤康二弁護士

この記事の著者プロフィール
復縁専科運営事務局・横山美咲
復縁専科運営事務局・横山美咲

横山美咲(よこやまみさき) 1991年生まれ。血液型A型。金城学院大学・大学院(人間科学部心理学科)で心理学を履修。専門分野は行動心理学・社会心理学・人格心理学。2016年より復縁専科で夫婦カウンセラーとして勤務。夫婦問題の解決や恋愛相談など男女の愛情についてのアドバイスを得意としています。 心理カウンセラー・日本心理学会認定・認定心理士